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たまに小説が読みたい、と思って選んだのが「さくら」(西加奈子)だった。
「さくら」 文章がほくほくにあったかく、切ないほど甘酸っぱい。 大人になって忘れていた何か、大人になってから気づかないといけない何か。 心が暖まる気分で読み進んでいると、衝撃的な展開が待ち受けています。 フツーの大学生の薫。小さい頃からヒーローだった兄ちゃん。 驚くほど美人で不思議な個性溢れる妹ミキ。 みんな一生懸命、そのときそのときを生き、家族を想い、 気づいたときには不幸は始まっている・・・。 本気の本気の初恋。狂気的な兄妹愛。 父母の全うな愛をうけながらも、自分の世界が強いミキは あやまった嫉妬を行動にしてしまう。 一方、失望の兄ちゃんはある日を境に、ヒーロー人生と真反対の人生に。 わが子に「ギブアップ」とのメッセージを残され自殺される親の思い。 物語はむしろそこからが山場で、家族それぞれの思い、立ち直りが ひとつひとつ、丁寧に描かれていきます。 自分を失い、ひきこもる妹。 過食と酒におぼれる母。 絶えられなくなって誰よりも自分を責め家を出る父。 東京へ飛びたつ自分。 そして、再会を境に、ひとつずつ取り戻していく家族。 親の姿とは、家族愛、愛とは何か、 そして、それはどんなに美しいものか、と思わせてくれるストーリーでした。 決して楽しいお話ではなく悲しいストーリーですが、 これぞ本当のハッピーエンド。 綺麗な涙がいっぱい流れました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/07/01 09:53:40 PM
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