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カテゴリ:お仕事!
直接的な利益につながらないボランティアや寄付は、余裕のある企業だけが行う?慈善事業?だと語られてきた。
しかし、いま「好調」な企業を見渡すと、たとえ苦しいときでも矜持や理念をもって、社会貢献をしているところが多いことに気づかされる。 たとえば今回の東日本大震災を受けて現地に多数の社員をボランティアとして派遣した大手総合商社の三菱商事もその好例。 いまでこそ絶好調の同社だが、商社冬の時代と言われた厳しい時代にも、創業以来の三綱領なるものを守り、積極的な社会貢献活動をしてきた実績がある。 こんな時代にあって今年度中間決算で最高益を更新したコンビニ大手のローソンも、震災翌日に社員100名を被災地支援に送り込んだことが話題になったが、かねてより環境保護に熱心で、CO2排出量を減らすために20年かけて納品車両の台数を2分の1以下に減らすなどの地道な活動を続けてきたことはあまり知られていない。 いまどうしてこうした企業が見直されているのか。 「背景にあるのは、世界中で各国の企業がしのぎを削るグローバル競争。 画期的な商品やサービスというのは生まれにくく、作れてもすぐに他社に真似されて、同じような商品が量産され、価格安競争に陥るのが関の山です。 だが、企業の『精神』や『風土』というのは差別化の余地がある。 そうした中で『私利私欲を離れて消費者や地域社会に貢献する』といった行為は支援した相手がユーザーとなって戻ってくるし、長期的には強固な信頼関係を築ける。 社員もこうした経験を通じて団結し、働く意欲を高めることになる。 その気質が競合他社との差になり、長期的に見て企業の強みとなっている」 (上武大学教授の田中秀臣氏) もちろん社会貢献と一口にいっても、一朝一夕にできるものではない。 今日から寄付を始めれば、それだけで儲けが増えるというわけでもない。 中には税金逃れや宣伝目当ての下心で寄付を行う企業もある。 「特に社会貢献を喧伝するような会社には期待ができない。 大々的に宣伝して、専門の部署を作って、寄付を始めた企業ほど、業績が悪くなるとすぐに撤退する。 大切なのは継続してできているかどうかであり、 そうした企業は事業そのものに社会貢献を組み込んでいるところが多い。 たとえばユニクロを展開するファーストリテイリングは障害者雇用を積極的に行っているが、 ほかと違うのは障害者を健常者と同じように働かせるモデルを採用していること。 通常業務に不可欠な戦力として採用を行っている。 惣菜大手のロック・フィールドも静岡の自社工場に風力発電所を設置。 その電力で工場で使った水を浄化して、自然に戻している。 さらに工場内には浄化した水が通る緑地も作り上げ、野鳥が集まる自然公園のようになっている」(一橋大学大学院教授の楠木建氏) 要するに本気度が違う、やると決めたら継続する意思もある。 ファーストリテイリングやロック・フィールドは厳しい業界環境にありながら利益を稼ぎ出しているが、こうしたメンタリティが企業の活力になり、好業績を生み出すパワーとなっているのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012/02/01 06:51:35 PM
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