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カテゴリ:中村美香子(さんさんぷろじぇくと)
中村美香子です。
このあいだから、自分のコドモの通う保育園が、民営化の対象となり、わらわらしています。こういうのって、いったんスイッチが入ると、誰かがやってくれる・・・というスタンスに立てなくて、ついつい中心を走ってしまい、さりとて自分から望んだことではないのでそれほど充実感もなく。という、あーもうッ てな気分です。 でもだがしかし、これもまた神サマがくれたレッスン(キラキラ)なのだろうと思わせるところがあり。今回のタウンミーティングについて、考えさせてくれるきっかけとなる、いいお題ではあります。ただ、忙しいんだよッ このところの私の暮らしは。(ひとりでやってるわけではもちろんないですよ) 父母会もなんにもなかったところへ、ようやく、民営化について考えるオヤの会を立ち上げ。 立ち上げまっせのペーパーを作成し、掲示板に貼り。保育園に頼んで配布してもらい。 保護者会で説明してクラスの委員を決めてもらい。 子連れ飲み会を設定し、第1回の会合を行い。 自治体の保育課と交渉し。 平日のお昼休みにメンバーとケイタイであれこれメールを交換し。 といった感じ。 そうやって親同士で話してみて、思ったこと。 まず、ひとつめ。多くのオヤが、保育士の配置と労働条件について、関心をもち、心配しているということ。 民営の事業者募集は、「実績ある社会福祉法人」に限ることになっていて、それはそれで議論もあるところなのだろうけど、 それにしたって、新しい園をつくろうとなったら、新規採用の保育士(経験者採用と新卒採用との2種類があるわけだが)の割合が、過去のウチの自治体の民営化の例では、だいたい3分の2を占める。3分の1が経験者採用、3分の1が新卒採用、あとの3分の1が法人がやってるほかの園からの横転、なのだそう。 オヤの中には、日々の職場で、自分も管理側あるいは新人の育成にあたっているような人もいて、「そんな体制、ありえないわよっ」と憤る。 保育の質。保育関連ギョウカイにいると、耳タコのように聞く言葉だ。 よくわからないことばだ。保育の質保育の質っていうけど、定義されてるのは見たことがない。 でも、オヤの毎日から類推してみれば、「ヨユーがなくなる」と、保育の質に如実に影響が出るってのは、日々イタイぐらい経験していることだ。保育に慣れてない同僚(オット)にイライラしたり、コドモにあたったり。ま、相手はプロだからアタシほどのことはなかろうが・・・。 質・量の面から見た、人員の配置。保育の質の重要な要素では、確実にあるだろう。それだからこそ、国は最低基準で縛っているわけで。 あと、保育士が疲れてたり、シゴトがいやになってたりしても困る。 そんなわけで、オヤのほうも、新園の保育士の労働条件は気にかける。ええ、これも、保育の質に影響することは私たちも実証ずみ(笑)。 お給料が適度にもらえてるか、無理な拘束時間になってないか、産休・育休がとれて復帰はできるのか、・・・など。 私などから見ると、「まとまった休み」がとれてんのかなあ、この人たち・・・と心配したりしている。2日いない先生は見ない気がするし。サービス業はデパートなんかでもそうなのだろうけど、夏休みとかも、1週間まるっととれるのかな? 公立の保育士は民間に比べて給料が高い、と目のかたきにされてる感じがするが、適正基準はどのへんなのか、ちゃんと論じたものは読んだことないんだ。安い民間に任せるべきだって言い切れる?そのお給料はシゴトに見合っているのか? こういうのをサービスの受け手が心配するっていうのは、保育に特有な現象であるかもしれない。私たちは日ごろ、ヨドバシカメラの安い家電を買うときに、「ここの従業員はしんどすぎないかしら?」などと、そうそう心配しないものだ。 ほんとはそういう視点は大事なのだけど。ワークライフバランスはその視点ぬきには実現できないのだから。 消費者が、生産者が生産者(労働者)のハッピーを確保することにどうぞ、と言ってあげること。そのほうが消費者もハッピーなの、という関係。保育というサービスなら、自然にできることなのだ。 ふたつめ。民営化するとなったら、セットのようについてくる、長時間延長保育、休日保育、年末保育などのサービス。 「これって必要なの?いわゆるコアタイムの11時間開所時間の保育の質を低下させないのかしらッ」というオヤの声。 ううむ。これらのサービスをやる保育所を増やすことは、私が保育関連の部署にいたときも、ほとんどギモンの余地のない、命題だった。 長時間延長をやれる人材を正規職員として雇い、シフトでまわそうと思ったら、コドモのいない若い人をあてなくちゃならなくて、全体的に経験のない若い保育士が多くなるのではないか・・・という懸念。 うーむ、それよりも、昔の(今はどうなってるかよく知らないのだが)延長保育の補助金は、パートタイム程度の時給で2人分という単価設定だったから、正規職員ですらあてられないかもよ。 でも、そのへんについてちゃんと調べたことはなかった。恥ずかしかった・・・ それに、そういう懸念を持っているむきが、一定割合いることはわかっていたのに、きちんとした「大丈夫!」という説明がいまだにされてないこともよくないよね。 あと、みっつめには、 うちの自治体は、事業者の募集要項はオヤにも見せて、意見を求めるのだが、 その条件に書いてあるのが、上に書いた長時間保育等々がばんっと最初に書いてあって、保育の内容や質については1行程度なのに、違和感を覚えた。 自治体からは、「ではぜひ、このへんの文言については提案をください」と言われたのだが、 「どんな保育」をしてほしい、と私たちは果たして、端的にことばにできるのだろうか。 このあいだも書いたけど、オヤってほんと、どんな子育てがいいのか、まーったくイメージもなく、オヤになっちゃう。保育士のプロの技術はたいしてこっちに伝わっていないし。保育園は基本的に、あんまりうるさく家の保育に口出ししちゃいかんというスタンスなので。ま、それはそれで間違ってはいないんだろうけど。 クラスの子連れ飲み会で、ママのひとりが保育士だってことがわかって、思わず聞いた。 「保育士さんたちの中で、保育のキホンとして、誰でも持ってるセオリーってのはあるの?」と。 彼女は、「受容」ということがそれにあたるかな、と言っていた。 えー!私たち、それって知ってた? そんなことで、オヤが望む保育の内容、言えっこない・・・。 もうコドモも4歳と3歳になって、これだから。トホホ。 だって、私、自慢じゃないけど、結構な量の育児本読んでるのよ。 もちろん、同じ言葉じゃないけど、そういうことが大事だというのは、いろんな場所で、本で、知っている。でも、そんなにキホンなら、オヤになる前から知っとけ。って感じだよなー ま、そんな3つのことを考えていたのでした。 民営化はいろいろ、考えさせてくれます。 さて、保護者の会もいい活動にしたいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 3, 2008 06:44:36 PM
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