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カテゴリ:めだかfrom冒険遊び場
めだかです。今日も本の紹介になってしまいますが、
今月、鹿島出版会(建築・造園系の出版社です)から、 『都市の遊び場』という本が復刻されました。 日本の冒険遊び場づくりの原点ともなった本です。 都市の遊び場新装版 今日は、その著者のアレン・オブ・ハートウッド卿夫人の話を書こうと思います。 この本は、1968年にイギリスで出版されたもので、 1973年に大村虔一・璋子夫妻によって日本でも出版されたものです。 著者のアレン・オブ・ハートウッド卿夫人は、 第二次世界大戦後、都市計画家として活躍し、 その後、世界幼児教育機構の代表も務めた人です。 アレン夫人は、1946年にデンマークで見た廃材遊び場(冒険遊び場の当初の呼び名) をイギリスに紹介した後、自ら、ロンドンに「障害児のための冒険遊び場」を設立します。 アレン夫人は、「彼らは、何もできない自分の境遇に不幸を感じているのではなく、 周囲からは、何もできない人間と思われていることに腹を立てているのではないか」と考え、「自由に遊ばせるなんて無理だ」という周囲の声に反して、土地を探し、資金を集めていきました。この当時の映像が、短いながらも2007年にロンドンで開催された「ロンドン冒険遊び場週間」で映画館を貸し切って公開されました。日本でも特別に譲り受けているものがあるので、機会があれば多くの人に見てもらいたいところです。 「実験を恐れるな。想像力は、単純さと手を結んで進む」「心が折れるくらいなら、骨が折れる方がいい」といったアレン夫人の力強いメッセージは、今でも新鮮さを失っていないと驚くばかりです。 本については、さすが建築系のものだけに、 世界の先進的な遊び場の実例が豊富な写真とともに紹介されています。 面白いのは、 子どもの遊びにまつわるイプセンやドストエフスキー、シラーなどの言葉が引用され、 建築・造園と教育・福祉を結び付ける哲学書としても読めるところでしょう。 ふつう、遊びについて書かれた本というのは、 (ある意味、仕方のないことですが)どちらかに偏りがちです。 けれども、それが、「遊び」に行政や研究者が取り組むことの難しさでもあるのでしょう。「子どもの遊び環境」が社会の課題になるのかどうか というあたりは、この辺の垣根を超える仕組みづくりにあるのだと思います。 余談かもしれませんが、 最近話題のココ・シャネルが自分の考える女性の生き方を デザインに表現したのと似ているような作業を 遊び」「遊び場」として表現していくことの積み重ねが 必要なのかもしれないですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 25, 2009 01:01:38 AM
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