|
カテゴリ:當間紀子(子ども幸せ研究所)
こんにちは、當間です。
現在各自治体で、次世代育成支援行動計画の 後期行動計画策定に向けた議論が進んでいると思います。 地元大田区でも、前期行動計画の遂行状況を検証しながら 議論が続いています。 一つひとつの事業をつぶさに検証するというのは 限られた時間の中ではなかなか難しいものですが、 ある日の会議では、公園利用について かなり突っ込んだ話が出来ました。 たまたま細かな事業計画項目が並んだ資料の中で 公園についての記述が実態に即さない表現となっていたため、 一人の委員が、疑問を呈したのです。 「乳幼児や中学生に遊びの場を提供するとなっていますが、 現実には、子どもたちの遊び場たり得ていませんよ」 子育て支援課長の説明によれば、 遊びに来る子どもたちの歓声がうるさいし、 ボール遊びなんてされたら、危なくて仕方がない。 「公園は今や公共施設の中でも、迷惑施設の筆頭なんです」 ボール遊びが出来る公園は高いフェンスで囲まれ、 ボール遊び専用となっているけれど、区内に18カ所しかない。 いやいや、私の家の近くでは、 そのボール遊び専用の公園ですら、 ご近所からの苦情でボール遊び禁止になったことがあります。 中高生の男の子の母たちが 「思い切りからだを動かせる場所を取り上げられるなんて、 10代の子どもたちは どこで有り余る体力を発散すればいいのよ!」 と憤慨していました。 それでなくても、10代の子どもたちには 居場所がないというのにね。 近隣の方々は直接公園に出向いて 子どもたちに注意をすることはありません。 区の公園課や警察に直接通報する。 通報を受けたほうでは、苦情として対応します。 もともと公園には禁止事項は定められていないのだけれど、 苦情が持ち込まれるたびに その対応として禁止事項が増えて行く。 近所の犬を散歩させる人たちが集まる通称「犬公園」には、 「犬のフンは持ち帰りましょう」という看板が 公園の至る所に立てられています。 顔見知りの常連さんに聞いてみると、 何となく犬連れが集まるようになった頃、 いきなり看板が公園の至る所に立てられ、ぎょっとしたとか。 お互いに同じ地域に住む人同士。 でも、公園のそばに住む人たちの目には、 公園を利用する人は、おとな、子ども関係なく、 騒音や迷惑行為を引き起こす要注意人物としか 映らないないみたいです。 会議では「公園周辺の住民のみなさま」の問題 という方向に向かい、 出張所長の経験のある職員委員から、 住民同士の話し合いで使い勝手がよくなった例と 話し合いが決裂してしまった例が報告されました。 公園にまつわる問題は、 地域コミュニティの問題でもあるんだなあと思っていたら、 10月5日放送のNHKクローズアップ現代で、 まさに、公園の「音」についてのトラブルを 取り上げていました。 公園を利用する人の出す音が、 近隣の人には非常に煩わしくていらいらする 「煩音」になっている。 番組でこう紹介されていたのを見て、 1974年に起きたピアノ殺人事件を思い出しました。 ピアノを練習する音がうるさいからと 同じ集合住宅に住む人に殺されてしまった という事件です。 お互い同じ建物に住んでいるのに、顔も知らなかった。 小さな子どもの居る家族が集合住宅に転居する場合、 両隣だけでなく、上下階とその両隣、 計8軒に挨拶して顔見知りになっておくと、 子どもの声などの苦情を避けられる と言われるようになったのはいつ頃からだったでしょうね。 大田区の次世代育成支援行動計画の会議では、 後期行動計画には 区民の役割についても明記しようと議論しています。 男女共同参画を進める大田区男女平等推進プランに その前例があるんです。 「同じ地域に住む区民同士が 顔の見える関係づくりに努力する」 そんな一文が加えられることになるんでしょうか? 会議はまだまだ続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 18, 2009 10:45:29 PM
コメント(0) | コメントを書く
[當間紀子(子ども幸せ研究所)] カテゴリの最新記事
|
|