Pentax Takumar 55mm F/1.8
昨日手に入れたタクマー55mmをPentax K-mに装着して、長女を撮影しました。「パパの幼稚園は何ていう幼稚園?どんな幼稚園?」という質問をかねがね繰り返していた長女。丁度良いので、「我が母園」を東京・小平市まで訪ねました。Pentax Takumar 55mm F1.8はPentax SPIIシリーズの標準レンズで、SPIIは1974年発売です。殊更に目ぼしいレンズがあるわけではありませんでしたが、私と同世代、ということで探していました。というのも、私と同世代のレンズ、ということは、私の父が、幼いころから私を撮るために使っていたレンズ、ということでもあるからです。つまり、私の父は、どのような気持ちでシャッターを押していたのか、積もる興味が湧いた、ということです。私の父は1973年購入のNikonの一眼レフを所持しており、それで私を含めて3人の子供の写真を撮り続けました。なので、Pentaxだとちょっと事情が異なりますが、それでも父のカメラと同時代の「眼」でわが子を見たら、どんなだろう、という気持ちがありました。実際に撮影してみると、私のデジタル一眼レフでは55mmレンズが35mmフィルム換算で80mmになる、というのもあるかもしれませんが短焦点のレンズ1本では、構図作りが困難です。構図に入れようとするものが入らなかったり、途中で切れてしまったりします。それで娘に、「もっと前に来て」「左によって」と指示するのですが、幼時私が父から聞いていた指示が、今度は自分の口から飛び出すので、驚きです。さらに自分が引こうとして障害物にぶつかったり、脚を踏み外したりしてしまいます。写真を撮影する人が、カメラを構えたまま後ろに下がって、ドブにはまる、といったマンガの話も、まんざら嘘ではないかもしれません。さらに、シャッターや絞りを1枚撮影するたびに一々設定しなければなりません。今でこそカメラの露光計の指示により、アンダーかオーバーかが撮影前に分かりますが、昔は勘に頼る部分が大きかったことでしょう。この2つが原因となって、撮影枚数が大幅に減りました。昔のお父さん・お母さんたちが、どんなに苦労して子供の成長を記録していたかが、少し分かった気がした1日でした。しかしそうして撮れた画像は、なんとも懐かしい感じのする、暖かみがあると感じました。当時オヤジによく連れて行ってもらった鑑賞魚屋さんが、まだ健在でした。(SMCタクマー55mmの画像です)帰り道に隅田川で夜景を撮り終えると、長女は隣ですやすや眠ってしまいました。長女にはカメラを向ける私がどのように映っているのか、気になるところです。