昨日で三日間のオーディションが終わった。

この夏のコンクールメンバーの、である。
私の、ではなく、人々の、である。

二時間強、三日間びっちり聴いた。
素人耳で申し訳なかったが、彼女たちよりは聴ける。
講評用紙も書かせてもらった。

楽しんで聴く、のではなく、
選ぶために聴くことのつらさを知った。
審査員の方々には本当に頭が上がらない。


うちのバンドは、人数は多いわけではない。
50人に満たないため、大編成で出るには難在り、である。
鳴り負けもするし、聴き栄えもしない。
そのための、オーディションだ。

オーディションをすることで、
そのために心を入れ替える、というか、
目の色を変えて練習してほしいという狙いもある。

皮肉にも、昨日、
淀工のオーディションがテレビで流れていたらしく、
関心を持った人もいてくれたようだった。

（私は練習で帰ったのが遅かったので見られなかった、残念）

しかし、数百人からメンバーを選ぶのとわけが違う。
数十人から25人を選ぶだけなんだから。

だから、か、しかし、かわからないが、
彼女たちには甘さがある。
やっている、やらされている感はあるが、
アグレッシブさは感じられない。

はっきり言ってがっかりした。

オーディションの結果、
15人までは選んだが、再オーディションと相成った。



私は高校から吹奏楽をはじめた。
はっきり言って底辺からのスタートだった。

しかし、それがかえってよかった。
屈辱的なこともあったが、黙々と基礎練習を続けた。

タンギングもロングトーンもスケールも。
一度ハマってしまえば、抜けられず、
快感を覚え何度も繰り返し吹き続けていた。

探究心、向上心。
そんなものがかなりあった、と振り返られる。


彼女たちにはそれが足りない。

いや、当時の私がこのオーディションを受けて、
受かるかどうか保証はないけれど。


私も昨日の練習ではストレスがたまった。
求められたことに即座に反応するには、
何が必要なんだろう。

基礎はもちろんのこと、瞬発力、表現力、
それから、培ってきたセンスも必要なんだろうか。


私は、本番まで十日。
がけっぷちに爪先立ちをしている状態だ。




「だけ」でいられないのがつらいけれど、
それでも、上に行きたい。