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テーマ:クルマ選び(282)
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私が初めて「カレシの助手席」に乗ったのは、
たしか今から5年前のこと。 彼が親から譲り受けたというその車は、 エアコンもなく、窓も手で開けるタイプ。 エンジンを冷やすファンのようなものが取り付けられている、年代物のビートル。 私が乗ったのは、助手席だけれど彼の右側で、 まだ免許を持っていなかった私は、 中央線ぎりぎりに走る車の中で、 自分が運転するならきっとこちら側に座るんだろうと思っていた。 彼は、車のビジュアルにこだわるでもなく、 乗っていて決して快適とはいえないその車を、 雨や雪の中放置し、冬の間は雪に埋もれさせたりしていた。 だけど、きっとある意味で、 レアであるその車にプライドのようなものがあったのかな、 と今は思う。 憶測だけれど。 私がウメくんとであったのは、 彼の助手席に初めて乗ってから大分たってからだった。 そのとき彼は、もう「私の」彼ではなく、 助手席には違うオンナノコを乗せていた。 私もその後、違う人の助手席に乗ったこともあったし、 そのときは車の助手席に乗ることはほぼなかった。 ウメくんを選ぶときには、 とにかく「赤い車」であることにこだわった。 他の事はわりとどうでもよかった。 私は車のことはほとんどわからなかったし、 だけどオヤジが乗るような車には乗りたくなかった。 白やグレーなんかのありふれた色はイヤだと思った。 赤も、ありふれていないとはいえないけれど、 たくさん走ってる車の中で、少しだけ目を引く。 それに、私に似合うとも思ったんだ。 ウメくんとはいろんなところにでかけた。 ちっちゃい車だけれど、いろんな人を乗せたし、 大笑いもしたし、せつない気持ちにもなったし、 一緒に、いろんな思い出を作った。 だけどウメくんの調子が最近よくない。 悪くはない。 でも、いいとは言えない。 来年の車検を前にして、買い替え時なんだろうと。 と、いうことで。 新しい車を決めた。 今度のも、真っ赤な車だ。 運転席は右側だけど、ウインカーは左についている。 ウメくんになかった(←!実はあると思ってた) エアバッグもついている。 試乗してみて、8個のスピーカーの音のよさと、 運転のしやすさと、広さにほれ込んだ。 世代交代。 あと一ヶ月もしないうちにウメくんとはお別れ。 初めて乗った「カレシの助手席」 同じ車種ではないけれど、 同じメーカーの車のオーナーになる。 大きなことを決めたのに、 あまり大きなことをした感覚がない。 とりあえず、ウメくんとお別れする前に、 ウメくんの名付け親に、会いに行きたいとは思うけれど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/07/25 11:23:10 PM
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