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2005年12月09日
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カテゴリ:松賢さん
Rodeo Drive 主演/佐伯大輔・北村一輝・松田賢二 監督/加納周典
アラスジ:浮気調査や人探しをする、ごく普通の冴えない探偵所に勤めるミノル。だが、或る日、ヤクザの家出娘を探す仕事を請け負った為に、思いもよらぬ騒動に巻き込まれる。知り合いの、気遣いに異常な情熱を傾けるチンピラ・原田が、一方的に用心棒を買って出た挙句、ターゲットである家出娘・カナと喧嘩、スタンガンで気絶させてしまう。始末に困った二人はカナを攫い右往左往しているところに、原田の借金仲間である薬中のケンが介入してくる。処がこのケンがトンでもない男で、あたふたするミノルを尻目に、自体は予想外の方向へ転がる。更に、その混乱に、ケンと原田を追いかける借金取りトミー、カナの恋人や友人が拍車をかけ……。ぶっとび爆走ピカレスクムービー。

えー、また間があいた日記っす。
言い訳すると、一応、感想文の走り書きはつけてるんですけどね。
一寸事情があって、アクセス出来る時間に制約が。
と言いつつ、単にサボっているだけだったりして。
あぁ、坂道を転げ落ちるわ。
このRodio Driveも、火曜に見た感想を、今まで寝かせてしまい。
熟成を通り過ぎて、腐敗寸前っす。ネバネバ。
めげずにupしちゃいます。お目汚しにて失礼をば。


これが、ご近所にある松田成分映画のラスト。
観るのが嬉しいような、寂しいような。
未見の作品はまだまだあるが、今後はオンラインレンタルなりの手段を検討するしかない。
うーん、田舎って悲しい。
いっそ全作品購入じゃ~!と突っ走りたいのは山々なれど、それも懐が許さず。
ううーん、ビンボボって悲しい。
取敢えず一通り観て、それから気に入ったものから揃える予定ではあるが。
で、真打「Rodeo Drive」である。
VERSUSとはまた違う意味での、松田さんにとって記念すべき作品である「Rodeo Drive」、今に至るまで待ってやっと鑑賞したのは、美味しいものは後に取っておく主義ゆえ。
待っている間にデッキ故障などのアクシデントがあり、ここまで延び延びになってしまったじぇ。ジリジリしたっす。
が。うむ、我慢は報われた。

テーマの是非はさて置き、“映画”として、これは中々のクオリティの作品なのではないかと思う。
非常に巧みな展開で、見るものを飽きさせない。
恐らくかなり低予算で撮っていると思われるが、その枷を感じさせぬ、いや寧ろそれを逆手に取ったような無駄のない映像に仕上がっているのは見事。
加納作品はこれが4作目だが、そのカラーがなんとなく見えてきた感じ。
彼の場合、まず映像が良い。
適度な翳りのある映像が、ぶっとびストーリーを、妙にリアルに感じさせてくれる。
軽すぎず重すぎず。
絵空事でなく、肉をまとった人間たちが動き回っている感じが伝わってくる映像だと思う。
深いテーマより、めまぐるしく変わる状況を愉しむ疾走感が、お好みなのかとも感じた。
その辺が上手に廻った秀作に仕上がったのが、本作品であろう。

冒頭から引き込まれる。
走るミノル、きれる原田。
躍動感のある画面が、加納色。
観客の引き込み方が上手な監督だなぁと思う。
走るミノルの独白で、登場人物の説明を簡略且つ端的になし、それぞれに少しの謎成分を含ませて観客の気を惹く。
巧いねぇ。
こういう演出技術は、若さに似合わぬ卒のなさ。
卒がないといえば、低予算のフォローも。
この映画、後から思い返すと、お金かけていなさそうなんだよね。
でも、ちゃちさが全くない。
無駄な場面や演出がなく、地に足をつけて撮っているからだと思う。(ストーリーは全く地道じゃないけど)
STRAY SHEEP以外の作品、全般的にそんな印象を受ける。
(残念ながら迷える子羊は、監督の資質と映画が噛み合ってなかったと思う。全作品に精通している身でもないのに、こんな事言っちゃうのはおこがましいけど、そう感じちゃったんだもん。)
若いのに手堅い監督だ。
加納監督の作品は、私の趣味の範疇から外れるものの、十分愉しむ事が出来る。
(ただし、テーマには少し疑問あり。後述)

しかし、この作品でもっとも注目すべきは、薬中ケンちゃんを演じる北村一輝氏だ。
松重さんも、相変わらず良い。
脇ながら、須藤真魚氏も良い味だしていた。
勿論、われ等が松賢さんも、良かった。が。
北村ケンちゃんは、予想を超えた演技で、図抜けているのだ。
正直、松田さん目当ての自分としては、歯噛みしたくなるほどの演技。
いや、北村さんも好きな俳優なので、非常に堪能しましたが。
聞くところによると、脚本段階では、主役より主役らしいケンの役は松田さんを想定していたとの事。
なので、ぶっちゃけ、作品を見るまでは、北村氏にお株をとられたようで悔しいような残念なような気がしていたのだが。
だが、参った。脱帽。
役者・北村一輝、賞賛に値する。(上様も蛍大名も良いよん)
ケンちゃんの役自体、かなり面白い役柄だと思う。
借金まみれの薬中、独自の哲学(?)を持ち飄々と好き勝手をする男。
“無”を恐れぬと嘯き、性欲と排泄しかない人生を標榜する。
こんなぶっ飛びキャラ、役者なら美味しく思わぬはずがない。
だが、やりようによってはどれほどでもエキセントリックに演じる事のできる役なのに、北村氏は深い罠を仕掛けた演技に出た。
一見、知的にすら感じさせる、穏やかな語り口。
だが、そこに奇矯なズレを含ませる巧みさ。
彼が語る度に、場面が渦巻状にケンちゃんに集約されてしまう。
惹き込まれた処で、破裂。ぶっとぶ。
ケンにとっては、世界全てが“遊び”
強姦も誘拐も、自分の生き死にすら。
目隠しをして、命のエッジの上を歩く事を愉しむ。
いずれ訪れる転落を、密かに心待ちにしながら。
だから、借金取りや切れたミノルに拳銃を突きつけられても、己のルール内であるうちは悠然と構える。
だが、警察という、自己ルールとは別の、秩序や枠を振りかざすルールには、牙をむく。
枷をはめられると、ゲームは続けられないから。
虚無へのゲームをひた走るケンと言う男の本質が、この牙を剥いたシーンに出ていた気がした。

もし、この役を松田さんが演じていたら。
うーん、どうだったかなぁ。何となく、資質が違う気がするんだよなぁ。
松田ケンちゃんだったなら、どこかに悲しみを湛えたキャラになりそうな気が。
あ、そうか。あの目がなぁ。虚無とは違うものを湛えた目だから。
自然、役の造形も北村氏と違ったものになってしまうだろう。
そういうケンちゃんも、有りだとは思うけどね。
その点、原田の役は、松田さんにピッタリ。
いい加減なダメチンピラなのに、異常に気配りな男。
可笑しい。良いよ、良い味だよw
虚勢を張ってるけれど、どこか小心者。
基本的にはお人よしな部分もあり、律儀でもある。
弟体質な松田さんには、うってつけの役かもね。
終盤、ケンと結託してミノルを捕縛するものの、気遣いを見せる場面が良い。
ケンちゃんのパワーになびいたものの、友人であるミノルも捨てきれない。
さりとて、全面的にミノルを庇って、ケンちゃんに楯突くほどの勇気もなし。
逡巡しつつも命乞いし、守られるか判らないケンの約束に不安そうな表情を見せる。
この何とも不安げな表情が良い。
保身、欲、良心、色んなものがせめぎあった良い演技だったと思う。

コミカルな部分は、チンピラ味で楽しい。
強烈なおばちゃんにやり込められる情けない姿、似合ってるじゃんw
口ばっかりで、その実は小心な原田から滲み出る妙な律儀さが、何となく松田さんご自身を髣髴とさせる。
そして、毎度、哀愁のあの瞳。
冒頭で瞳がどアップされるシーンがあるのだが、もうもうもう。
視線が釘付け。
監督ぅ、掴みはOKっすよぉ~w
加納監督は、松田さんをとても魅力的に撮る。
付き合いが長いってのは、ホント伊達じゃない。
原田は無精ひげだしヨレヨレ(終盤、ドロドロっす)なのに、妙に綺麗なんだよねぇ。
ダメ人間なのに、ピュアな雰囲気があっていい。
ラスト近くの、なっさけないあのシーンも、「うちの原田は、可愛い、可愛い、可愛い。ア゛ァ゛」
そっかぁ、あんな格好じゃ、ポロリもしちゃうよw
残念ながら、情けなくも可愛い姿で、この作品からは退場。
笑えるし、あの中途半端なダメダメっぷりが原田らしく印象的な消え方ではあるが、ファンとしては最後まで画面に残って欲しかったかな。
でも、あの警官を生かした筋は見事。
あや取りのように関係が移り変わり、縺れるかにみせかけて、ちゃんと全部の糸がつながった。
こう言った展開の巧みさは、加納監督はたいしたもんだと思う。
それにしても原田、おちりが冷たそうだったよなぁw

全体的に松田さんの演技も良かったが、しかし、今回は芝居巧者に囲まれた為か、ちょっと硬さが感じられた気も。
だって、松重トミーも北村ケンちゃんも、非日常的なキャラクターを至極自然に天晴れ演じちゃってるから。
キャリアの違いを感じざるを得ない。
お二方とも、凄いっすよ。
でも、鮮烈さでは、松田さんだって負けてはいなかった。(と思いたい)
彼らは彼ら、松田賢二は松田賢二。
もっとこなれていって、更なる躍進を望みたい。
(もういい加減長くなっているので割愛するが、ヘンな借金取りトミーの松重さん、最高っす)

と、役者の演技には満足できたし、転げる展開も楽しかった。
あ、主演の佐伯氏。んー、どうも演技が弱いかなぁと思わなくもなかったけど。
これは、凡庸なキャラと言う事だし、擱いておくとして。
問題は、この映画の本質が、ね。うむむ。
ネタバレになるが(って、もうしちゃってるか)、女を拉致して強姦・誘拐するこの話、こんなにコメディで語って良いのかな。
それぞれのエピソードが入るべくして入ったものであるのは、理解するに吝かではない。
拉致ちゃうのも、無意識の女を強姦するのも、完膚なきまでに痛めつけるのも、それぞれのキャラクターを際立たせるには有効な場面ではある。
だが、それをすんなりと認めるのにも、抵抗がある訳で。
別にフェミニストを気取るつもりゃないけどさ。
面白いは面白い、だが同時に、釈然としない不快さも感じてしまう。
カナの造形もアレだし、監督の鬱屈した女性観を垣間見るような気が。
基本的に、女性より男の絆の方に重きを置くタイプなのかな。
うーん、それとも一寸違うか。何だろう。
女性にたいして、非常な重圧感でも感じているのかと思ってみたり。
その重圧感に鬱屈して切れ、蹂躙に走り、正気に戻っておのれのしでかした事に慌てているみたい。
「おまえが嫌いだ」でも感じたけれど、女性に対して、複雑に屈折した崇拝と唾棄の念の両極端の間を、心が行ったり来たりしていると思った。
ラストでも、それが出ていた。
情けないけれどホロリとくる愛情を見せるカナの恋人に対し、荒ぶる女神のようなカナ。
監督は、カーリーのような“女”の凄さを、嫌悪と憧憬で眺める。振り子のように揺れる視線で。
この屈折が彼の衝動でもあり、壁にもなりそうな気がした。
“若さ”と言ってもいいのかもしれない。
加納周典。
ストーリーの面白さ、場面を捌く手腕の巧みさ、いずれも良いものを持った監督だと思う。
年齢・経験を考えれば、たいしたものだ。
それだけに、今後、彼が“若さ”に振り回されるか、昇華出来るか。
これから作り出す世界に注目したい。

処で、この作品のDVDって特典映像とかありますかね?
監督と松田さんの対談なんか、あったら面白そう。
あ、弟気質の松田さんが甘える姿を想像しちゃったw(おいおい)
共に映画を愛し、素晴らしい才能の持ち主。
まだまだ若い。時間はたっぷりある。
慌てずに、ゆっくりと熟成していって欲しい。
将来が愉しみなお二人である。

あれこれ言ったが、この爆走感(いや、爆転・爆飛翔・爆裂かw)の面白みは格別。
役者も良い。
女性観に目を瞑れる方なら、見て損はない作品である。
ってか、四の五の言わず観るべし。
と、今頃遅れて見ている癖に、偉そうに言ってみる。
いかんいかん、高飛車は。
「面白い作品ですので、宜しければご覧になってみて下さいね」
こんな風じゃなきゃ、気配り原田にぶっ飛ばされまっせw





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最終更新日  2005年12月10日 01時57分34秒
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