カテゴリ:お仕事
私は先日、ナンバーポータビリティ制度を利用して携帯電話をauからDoCoMoにかえました。
選んだ機種はN903iです。 様々な機能が搭載されているDoCoMoの903iシリーズの中でも、VGA+液晶がウリの端末です。 高精細な画面はそれだけでもきれいに見えます。 もちろん文字もきれいに…と言いたいところですが、N903iの文字はお世辞にもきれいな字とは言えません。メールやiモードのソフトウェアはVGA+の解像度には対応していないので従来のQVGA+の解像度で画面表示されてしまう事と、搭載されているフォントの品が低い事が問題です。 それでは何がきれいに見えるのかというと、写真がきれいに見えます。 メーカーもその点は理解しているのか、カメラの機能もウリになっています。縦・横・前後の3方向の動きと、さらに各軸に対して回転する動きまで対応の「6軸手ぶれ補正」という機能です。 高精細な画面に高機能なカメラとなれば、携帯電話でもそこそこきれいに写真を撮りたいと思っている私は当然ひっかかるわけで、実際にN903iを購入して使ってみたのですが、カメラの性能はひどいものでした。 ひどいポイントをいくつかあげてみましょう。 まず気付くのはノイズが多すぎることです。 信号処理のレベルでノイズ処理ができていないのか、手ぶれ軽減だけを考えて超短時間でセンサーを駆動させているのか、理由はわかりませんが、暗いところでも明るいところでもしっかりノイズが発生しています。 カメラとして最も基本的なところがまともに作られていないのです。 これは「きれいな写真」を期待するユーザーに対する、最初の裏切りです。 次に気付いたのは赤い光が写りこむことです。 なんとN903iでは写真を撮影する瞬間にレンズ横の赤いランプが輝きます。このランプには「撮影認識ランプ」という名前がついています。 しかし撮影の直前や直後に点灯するのなら理解できますが、撮影の瞬間に点灯されては「撮影妨害ランプ」にしかなりません。数m離れた被写体でなければ赤い光が写りこみます。撮影時に無駄に光るというのは、言ってみればAF補助光が撮影時に光るとか使われないはずのフラッシュが中途半端に光るとかそんな状態で、カメラとしては不良品・粗悪品の域です。 さて。 ノイズ処理については、「日本のソフトウェア技術者に『美しい』感性は無いのだろう」と諦めたのですが、撮影妨害ランプについては明確な不具合でありソフトウェアのアップデートで修正できそうな事なのでDoCoMoにフィードバックしてみました。 「撮影時に赤いランプが光るのは不具合か仕様バグなので修正してほしい」という問い合わせに対し、DoCoMoからは「その動作は電話機の仕様なのでご了承ください」という返事がきました。 かみ砕いて言うと、「仕様がおかしいでしょ」という問い掛けに対して「仕様だから我慢してね」という返事が返ってきたわけです。 DoCoMoの担当者は「仕様は絶対で、いつも必ず正しく、仕様がおかしいなんてあり得ない」とでも思ったのでしょうか。 結局今回のケースでは「DoCoMoは仕様という名目で不具合をユーザーに押し付けた」と言えます。こんなケースを最近ではよく目にするようになりました。そして悲しいかな、仕様という名でまかり通る不具合はソフトウェアを原因とするものが殆どです。 こんな情けない製品やサポートが現実になってしまうのは、今までソフトウェアに携わる人間が不真面目すぎたからだろうと私は考えています。このままでは日本のソフトウェア産業はダメになってしまいます。 私はソフトウェア技術者として、仕様という名の不具合が無くなることをいつも願っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.04.26 14:02:18
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