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カテゴリ:文学
(一)
元大本営参謀・壱岐正は、酷寒の極地シベリアの収容所で、11年間の拷問と飢餓と強制労働に耐えぬき、昭和31年12月帰還する。”第二の人生は誤りたくない”と願う彼は、近畿商事の社長大門の再三に渡る誘いに応じ、商社マンになることを決意する。シベリアでの地獄のような抑留生活の傷も癒えないまま、彼は再び”商戦”という名の熾烈な戦いの中に身をおく。 (二) 商社マンとして生き抜くことを自分の宿命と感じるようになった壱岐正は、防衛庁の次期戦闘機選定にともなう各商社・メーカーの受注合戦に巻き込まれていく。彼は戦闘機には携わりたくないという信条を持ちながらも、次期戦闘機の決定が、次の総選挙の道具にされていることを憤り、国防のために、本当によい飛行機を採用させるため<黒い商戦>に耐え、戦い抜こうとする・・・・・・。 (三) 黒いFX商戦から10年、日本経済は次々と襲いかかる貿易・資本自由化の嵐に直面し、第三の世界戦争<経済戦争>の突入する。アメリカのKY大自動車企業フォークが、虎視眈々と日本市場を狙う中、商社マンになって11年目を迎えた壱岐正は、アメリカ近畿商事の社長として、経営不振の千代田自動車とフォークの提携交渉を進める・・・・・・。国際経済戦争の最前線に立つ壱岐正の苦悩を描く。 (四) 近畿商事に入社して十余年、壱岐正は、異例の昇進をしナンバー・3となる。彼はエネルギー資源のない日本の将来を考え、商社マンとしての最後の仕事に、イランのサスベスタン鉱区の石油開発に賭ける。戦後史の中で見過ごしてはならぬ≪敗戦≫とそれに続く≪シベリア抑留の悲惨≫と、日本経済を繁栄させ、支えてきた総合商社と政治化との国際商戦にともなう癒着を描いた社会派巨編。 以上、新潮文庫の背表紙の紹介文引用。 フジTV開局50周年記念ドラマ 唐沢寿明主演で放送されることになったそうです。 山本薩夫監督で1976年映画化 出演者 仲代達矢、北大路欣也、山形勲、田宮二郎、神山繁、八千草薫、秋吉久美子、藤村志保、大滝秀治、丹波哲郎 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年05月16日 22時48分09秒
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