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百姓一揆にまきこまれ、過って妻のおはまを刺殺した岩松は、国を捨てて出家した。罪の償いに厳しい修行をみずから求めた彼を絶え間なく襲うのは、おはまへの未練と煩悩であった。妻殺しの呵責に苦しみつつ、未踏の岩峰・槍ヶ岳初登攀に成功した修行僧播隆の苛烈な生きざまを、雄渾に描く長編伝記小説。
以上、文春文庫の背表紙の紹介文引用。 背表紙では、『伝記小説』となっていますが、解説を担当された武蔵野次郎氏によるジャンル分けの件では、 大衆文学を3つ(現代小説・時代小説・推理小説)のジャンル群に分け、更に各ジャンルが細分化され、例えば≪現代小説≫ならば、『恋愛小説』・『ユーモア小説』・『企業小説』というようなテーマ別に分類される。 新田次郎は『山岳小説』に類するというか筆頭に挙げられる作家であるが、≪時代小説≫の分野にも属している。 ≪時代小説≫も、変遷があり、初めに大衆受けしたのが『伝奇小説』で純フィクションで江戸時代・明治時代という時代設定だけで書かれた作り物の世界、それに対して、現在大衆に受け入れられているのが、史実を重視し史料を集めて綿密に書かれたのが『歴史小説』である。 そこで、武蔵野次郎氏は、【槍ヶ岳開山】にあたって『山岳宗教歴史小説』であるとテーマ付けされています。 文春文庫、1977年7月初版。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年05月17日 10時56分13秒
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