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ドゥマゲテ(ドマゲッティ)の海を潜る、自然を堪能する、楽しく暮らす

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2012.04.13
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カテゴリ:カリブ海
最高のカリブ海デビューを飾りいい夢みた僕らは、これから悪夢のようなジェットコースター系スリリング大移動になるとはその日の朝ですら知る由もなかった。 朝6時にこのかなり奥まったところにある僕らの隠れ家までタクシーを頼んでおいた
だいたい40分ほどで港に着き、大型高速フェリーでロアタン島を出発
ラセイバという街へ。 約2時間の船旅。 そしてタクシーでバス乗り場まで行き、4時間かけてサンペドロスーラへ ここまではいたって順調、まだまだ序の口。 
サンペドロスーラで小さなバスに乗り換え、プエルトコルテスへ1時間半 ここまでは計画通り、このまま船でグアテマラに渡る作戦、地球の○○を見ると、近くのオモアというところからも船は出ていて、こちらの方がグアテマラまで近いのでこっちにしようとバスに乗る。

オモアについて乗り合い3輪バイクの運ちゃんに聞いたらよし乗れ!とあっけなく言うのでよっしゃーーこれでグアテマラに渡れるぞ―、よかったーとタカをくくっていると港のみの字もないボロ家の前でここだと言われ、は???と言うと 「あれホテルの名前じゃないの?」と意味がわからないことを言いだし、だからグアテマラに行く港だってみなと!! 「よしきた!」と調子だけは良いのだが、港らしきところを通りすぎるが何回聞いてもここじゃないと言う。 しまいには結局スタート地点に戻ってきて、グアテマラはバスに乗れと意味がわからないことを言う。しかし、この運ちゃん意気消沈して申し訳なさそうで可愛そうなので、ちゃんと料金を払った。
よしバスだなバス! フロンテ―ラってとこだよ!と運ちゃんは言葉を残し去っていく。
バスを待っている間いろんな人に聞いたがやはりグアテマラのみなとはフロンテ―ラ行きのバスで行けるらしい。
しかし、フロンテ―ラ行きのバスがなかなか来なく、1時間以上待った。

よし今度こそ港だ船だ、グアテマラだ―!!と 思っているといっこうにバスは港に着かない、というか港のみの字もなく、 15分で着くとかいっていたのにいっこうに着かない、しまいには海も水すらの気配もなくなっていき、どうやら山の中に入っていくぞ! これはやばいんでないか??と思ったがもう途中で降りるわけにもいかないぐらいわけがわからないところまで進んで行く。 ざっと1時間は経過しただろうか。 ふとこれぞ山だ!!俺は海でも川でもないぞ船なんて出るわけねえだろう、あるとしたらあのアララト山のノアの箱舟ぐらいだ!と言わんばかりの山奥でバスは止まった。 慌てて車掌にグアテマラ行きの港はどうなってんだ!と聞くも指をまっすぐ正面に突き出すだけ、「あっちだ!」 あっちって山だろ山!!

後から気づいたがスペイン語の港という単語には国境という別の意味もあり
まさにそこからまっすぐ歩いて行くとグアテマラとの国境があった。 あまりにも簡素なのでホントか?と思ったが、国境には不可欠な奴ら そう両替取引屋がいたから本当だろう、どさくさに紛れてホンジュラスのお金をグアテマラのお金に両替する。
この時点ですでに午後5時過ぎ、体力と精神力は相当きていたが、ここで国境が閉まってしまえばすべての努力は水の泡、しかもこのままこの意味がわからない山奥で野宿するはめになる可能性大。 重い荷物を背負ったままひたすら急ぎ足でイミグレーションまで突っ走る。 やっとついたーーー
1479647_1600262812_48large.jpg

が、まだまだこれから。 他にも白人と日本人女性のカップルがいたが、のんびりしている二人を横目に同じく荷物を置いて落ち着こうとする母に喝を入れ進む、まだホンジュラスは出国したが、グアテマラに入国していないのに気づいていない。 しかも、少し歩いたとこにバンが待っていてどう考えてもこれに乗り遅れたらアウトだ。 またしても走り、ギリギリセーフで乗ったバンだったが、超ギュウギュウ詰め。 僕らが最後だったので席はむろんなく、荷物は屋根の上僕ら二人は運転席との間のわずかなスペースに体をねじ込みものすごく無理な姿勢でバンに詰め込まれる。 そのままバンは出発してしまい、あの二人はどうなったのか?
明日は我が身、旅に油断は禁物なのだ。

それにしてもすごい態勢のままバンは進む、横向きねじり折りたたみ式座りなりグアテマラの入国審査場まではけっこうあり、着いたと思ったら運転手が僕らのパスポートを預かり抵抗しようとすると僕がやった方がスムーズにいくから、大丈夫大丈夫だよと手続きをしてくれ、何の問題もなくグアテマラ入国!

僕らの移動は容赦なく続き、もうこの変になるとガイドブックにもまったく載っていないし、どこに向かっているのかどこで降ろされるのかさえもわからない。 所要時間も当然わからないそれにしてもいつまでこの姿勢だよと思っていると。 1時間ほどして、次々と人が降りて行く。 前の運転席の隣があいたので、親切にもそこに移してもらい快適このうえない!
しかし、ここから運転手に火がつき、バンはものすごいスピードで飛ばす、もちろんそこはラテンの国。 音楽をガンガンにかけはじめ、運転手はスピード狂だわ、後部座席は
音に合わせて歌うは体をゆすって踊るは、煙草を吸いはじめるわ、その匂いが嫌な人が香水やスプレーをまくはすごいごちゃごちゃ。 しかし、一番気になるのがすごいスピードで飛ばしながら僕らに話しかけたり、写真を撮っているのをこう撮ればいいとか身振り手振りで教えようとする運転手。怖すぎる!! 辺りはついに暗くなってきて、恐怖も加速する

しかし、まだそれは良かった。 そう突然に絶望は訪れるのである。
あれだけ飛ばしどこかの目的地を目指しているものとばかり思っていたが、何とこのバンあろうことか、街のまの字もない道の真ん中、しいていえば曲がり道の手前で止まり。ここまでと言い張る。 街や村なら何らかの宿泊施設もあるので何とかなるがここは道のど真ん中だぞ!
この近くにモラリスという街があることを調べ上げた僕はモラリスに行かないのか!!
モラリスだ、モラリス!と必死の抵抗を試みるも、ここまでなんだ。じゃあなーーーと行ってしまわれた。
はい、ゲームオーバー。 (リセットボタンを押してまたやり直してねという声が聞こえる。)

辺りは真っ暗闇。 しかしどん底に落ちても神は見捨てない。
同じバンに乗っていたメンバーが話しかけてきてくれ、どこに行くのと? しかし、グアテマラで僕らが目指していた街ははるか遠いフローレス すでに7時を過ぎているのでここから行けるとしても着くのは夜中 しかし、その街の名前の他に僕達の知っている街は近くにない。
「フローレスなら私達も今から行こうとしているところに近いから一緒に行こう!」と頼もしい言葉が聞け、ここで迷える暴走バン同盟ができた。 しかし、言っていることがやはりわからないし、何一つ確かなことがまったくわからない状態、それに加え体力、精神力は極限に達している。 ものすでに移動して12時間以上を経過している。 ほとんど飲まず食わず。

神は本当に見捨てない、そしてしょうがないなー、言葉が通じないのじゃ仕方がないなそれでは言葉が通じる奴を送るかと、新たな使者をつかわしてくれた。
そういきなり、戸惑いただ待つしかない、意味がまったくわからなく混乱している僕らにこんな状況で日本語が聞こえてきたのだ。 「こんばんは、日本人の方ですか?」
おーーー一瞬その意味すら忘れてしまい、こんにちはと返す僕らだったが
まぎれもないそれは日本人だった。 グアテマラにもう4年間も住んでおられる神のような人じゃー そうそれもそのはず、宗教を広める伝道師、エホバの証人の方で買い物に行った帰りでバスを待っているという。

ここからフローレスに行くのはやはり遠く、彼が住んでいる村の近くの街リオドゥルセまでならわりと近いし、そこから明日朝一でフローレスに行くのが一番良いのではという有力な情報を得た。 しかし、バスが来ないことにはしょうがない。
「この時間はバスもう行っちゃったかも知れないですねー」と彼は言い
とりあえず待つ以外に選択肢がない僕らは待ち続けた。
そしてついに、先ほどの迷える暴走バン同盟のメンバーは荒業に出て、一台のでかいトラックをヒッチハイクしてしまった。 彼らが運転するわけではないが、いきなり乗りなさい!と言われこれで一緒に行くのよとか言っているがいまいち状況がつかめない。 日本人の彼も唖然としているがけっこう慎重な人で運転手に駆け寄り、本当に大丈夫なのか?乗せて行ってくれるのか? 料金はどのくらいだと聞いている。 どうやら「いいから早く乗れ、金なんていらないから、ちゃんと送ってってやるから」と言っているらしい。

暗くてよく見えなかったがどうやらこのトラックは、さきほどまで牛を大量に運んでいて、それをすべて降ろし帰るところだった牛車。 もちろん僕らは7、8名いるので乗るのは荷台、そうさきほどまでほかほかの牛ちゃん達が乗っていた荷台。
牛フンだらけになるーというのが脳裏によぎったが、わけがわからなく安全も泊まるところも何もかもわからないここにいるよりは、牛フンでも何でも浴びてやるぜ!と
かなーり高い荷台にみんなに引っ張ってもらいながらリポビタンDのCMのように上がる。
真っ暗で下にはたして何が潜んでいるのかわからない状態だが牛車は勢いよく、荷台をガタガタと震わせながら、時には大きくジャンプしながら爆走する。
僕はおりのようなところにつかまり立ったままその数時間の移動を楽しむ。
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僕らは運よく何もなく、お金もまったく払うことなくリオドゥルセの街に着いた。
迷える暴走バン同盟のみんなが暗くて笑顔かどうかは見えないが、
めいっぱいの力で手を振って気をつけてねーーとトラックが見えなくなるまで手を振り続けてくれた。 日本人の彼は安めのホテルまで紹介してくれ、去って行った。 本当にありがとうございました。 あの圧倒的不利危機的状況で、神様の使いのような人だった。
14時間におよぶ早朝から夜までの大移動。
トイレなんてどこにあるかわからないのでほぼ飲まず食わずでいたので、この時のビールはまさに神の味!
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鳥じゃなくて牛さんありがとう!!
そして、14時間ぶりのまともな食事はうまいことこのうえない!!
生きていて良かった―――
みんなありがとう!!
本当にいろんな人に助けてもらいここまで来れて、この食事とビールをいただかせてもらい自分達は存在している。 幸せというものは自分達のすぐ近くに存在しているもの、しかしこういう危機的状況にならないとそれを感じることができないのも人間の性
旅はいろいろなことを学ばせてくれる。 いろいろな人の人生と交わり旅も自分も存在している。

僕が17歳の時に一人でバックパックを背負いヨーロッパに一カ月出かけた時空港で見送ってくれた、離婚して離れ離れになっていて久しぶりに会った無口になっていた父が唯一発したまともな言葉「旅は一人では終わらないからな」という言葉とその場面がフラッシュバックのように蘇ってきた。 旅は一人では終わらない、誰かと交わることにより旅は旅になり人生は人生になる。 そして人は人になる。 みんなありがとう!!





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最終更新日  2012.04.13 10:46:51
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