蟾酥の抗癌作用について
蟾酥の抗癌作用について 昭和大学 中谷一泰教授人の白血病細胞の一種を自滅させる作用があると発表されています。またがん細胞を正常化する作用も発表されています。 Tiam1を介するブファリンによるアポト-シス誘導機構の解析:川副伸子、今津敏子、中条茂男、中谷一泰(昭和大・薬・生物化)Analysis of the Mechanism of Apoptosis via Tiam1 Induced by Bufalin : Nobuko KAWAZOE, Toshiko IMAZU, Shigeo NAKAJO and Kazuyasu NAKAYA (Lab. Biol. Chem., Sch. Pharm. Sci., Showa Univ.)【目的】これまでに私達は、生薬センソの一成分であるブファリンによる種々のヒト白血病細胞のアポト-シス誘導過程において低分子量GTP結合タンパク質Rac/Cdc42のGDS(GDP解離促進因子)であるTiam1が発現増強することをdifferential display法により見出した。ブファリンにより誘導されたTiam1は、MAPK/JNKカスケ-ドを活性化する。本実験では、Tiam1を介するブファリンのアポト-シス誘導機構とCASPASE ファミリ- プロテア-ゼとの関連を調べ、さらに細胞骨格系へのシグナル伝達についても検討した。【方法】Tiam1の発現はイムノブロット法により解析した。Caspase-3の蛍光基質を用いてCaspase-3活性を測定した。細胞膜ラッフリングはTRITC-ファロイジンで標識後、落射蛍光顕微鏡を用いて観察した。【結果】ヒト白血病細胞U937を血清非存在下、0.1 mMのブファリンで処理すると経時的なTiam1の発現誘導が認められ、続いてRac1GDS、およびPAKが活性化した。さらにこれらの下流に位置し、アポト-シスへの関与が明らかとなっているJNK、およびp38について調べた結果、ブファリン処理によりJNKの活性化は認められたが、P38は活性化しなかった。ブファリンはまたCaspase-3も活性化したが、この活性化はZ-Aspにより完全に抑制された。一方、ヒト口腔内類表皮癌細胞KBを用いてブファリンの細胞骨格系への影響について調べた結果、アポト-シスに先立って細胞膜ラッフリングが誘導された。以上の結果から、ブファリンシグナルはTiam1を誘導後、JNKカスケ-ドを経てCaspase-3を活性化し、アポト-シスを引き起こすことが明らかとなった。