2013年11月の記事一覧 | 阪本ニュース

八味丸

老化防止の為の漢方薬　若いという事は腎の気が満ちているという事です。この氣は先天的に少ない人。多い人がありますが、多い人でも加齢とともに減って行きます。先天的に少なく生まれた人は、成長が遅くなります。この場合によく使われるのか六味丸です。構成生薬は・地黄・山茱萸・山薬・茯苓・沢瀉・牡丹皮で現在中国ではこれに鹿茸と紅参を加えた、加味六味丸がこのんで成長不良には使われます。　この六味丸に桂皮と附子を加えたものが八味丸。さらに牛膝と車前子を加えたものが、牛車腎気丸です。　老化防止には牛車腎気丸や八味丸が良いと思います。ベースとなっている八味丸は下記のように解説されています。八味丸の応用例　　　(新古方藥嚢・七合)•一、婦人27歳、産後身體疲れやすく、目がかすんで永くものを見ることが出来ない。視力が低下してきた。20日の服用で効果があった。•二、男子35歳、身體の疲れが原因で視力低下。八味丸の服用で戻る。•三、腰痛で体を動かすことも出来ない。丸五丸を一回量として与えたるに即座に痛苦忘れたるが如きものありたり。•四、一婦人疲労すれば喘息様の発作を起こすものあり、其の状せいせいとして息苦しく胸中はりつまるが如き感じありと去、多くは夜間に発す、八味丸を与えて忽ち愈えた、これは『金匱要略』の条又に婦人の病、飲食故の如く煩熱臥することを得ず反って倚息する者は八味丸がよい。と書いてある處を採りたるなり、倚息は息苦しきため横になることが出来ず物によりかかって息する事を言う。五、歯の痛みを八味丸で治したそうですね。　ハイ、家の者です。今まで歯痛を訴えたことはありませんでした。それが本年則ち乙巳の歳の四月中旬頃発病してどうして差えません。但し痛むといっても四六時中痛んでいるわけではなく、毎日きまって夜半の、十二時過ぎに始まります。そして一、二時間すると痛みは自然と薄らいで眠れます。　其の痛みの工合は。ハイ、虫歯ではなくハグキに物凄い痛みが生ずるのだそうです。どういう理由で八味丸を与えました。ハイ。最初から八味丸を使った訳ではありません。おおかた肩の凝りから来たものだろうと、たかをくくって勺薬甘草湯を与えました。之は私自身が昔之と同じような痛みを患った時に用いてよく効いたことがあったからです。所が一剤を服しても効が無いので次は桂枝附子湯に更えました。それは此の痛みは多分外の気の滞りが内に及ぼして熱を持ったものでは無いかと考えたからです。所で之を一服しますと今まで耳の根本に近い所に在った痛みが急に前歯の方に移動したと去い出しました。之は桂枝附子辛甘発散の薬の働きで外に近い方にあった熱が散じ、奥歯の痛みはとれたが、前歯則ち内の方の熟は桂枝附子のカでは除けないので内から又熱が桶き出し恰も痛みが奥の方から前へ移動した様に感じたのではないかと思われました。それで今皮はその内部にある熱を冷やしてやったら熱の本が除けるだろうと黄連阿膠湯を与えてみますと、前の薬とは反対に今度は前方の痛みが奥歯の方へ移りました。則ち内の痛みが外の方へ浮いたわけです。ここでハッと気がついて麻黄附子細辛等を呑ませますと薬が利いた為でしょう、間もなくスース‐とねいきを出し始めました。どういう点に気がついたのですか。　ハイ、辛味と甘味とは発散の剤ですから外に在る熱を除くことが出来ます。苦酸は涌泄の薬ですから内に在る熱を去ることが出来ます。ですから此の場合熱が唯外だけにあったとすると桂枝附子で差ゆる筈ですし若し熱の本が内だけにあったとすれば黄連で治るわけです。　それが桂枝附子だと内に移り黄連阿膠だと外に移るのはとりも直さず外と内とに寒があるため、熱が外にも出られず内にも入れず、それで痛みが移動するのだと気が付いた訳です。　麻黄附子細辛湯は麻黄の苦温と附子の辛温とで外を温め細辛の辛温で中を温め寒より発する熱を止めますから此の場合病証とピッタリ当てはまると考えて用いて見たのであります。それでは歯痛を治せたのは麻辛附子湯のせいで八味丸の効ではありませんね。　イヤその時は、それで治りましたが、その翌晩の同じ時刻にまた発しました。但し今度は一寸眼が醒めたが直ぐに眠ってしまったと間いたのでその翌夜はもう大丈夫だろうと続けて前方を呑ませていた所、その晩また起こされてしまい前よりも激しく痛むと言われたので八味丸を与えましたら忽ち痛みは去り直ちに眠れ、それ以来痛むということを訴えなくなりました。八味丸を用いた理由は、証としては『金匱要略』婦人雑病篇にある病飮食故の如く煩熱臥する能はずという處をとり、理屈として之は腎氣の虚が時の王に壓せている為に病は差えていても氣血のめぐりが妨げられると思ったからです。八味丸は腎氣を正常にし、その働きを行わせるものでありますから之によって土氣の壓に耐える事が出来る筈であります。腎氣の虚はどこから考えました。ハイ、骨は腎に属し歯は腎に属するからです。土氣の壓と言うと土氣と云う事ですか。ハイ、病時にたまたま土用が循って来たのであります。今年の土用は4月17日に入りまして、5月6日立夏の午前2時42分に開けて居ます。ですからその時が過ぎれば自然と土の剋はなくなり病は愈る筈でありますが、まさか痛がる者をそのまま放って置くわけにも行かず、又放って置ける自信もないので腎気丸を持って行った次第であります。すると藥を用いる際時令を考えるということも必要となりますね。ハイ、『金匱要略』の蔵府経絡先後病篇に四季脾王邪を受けず則ち之を補う勿れと言う言葉があります。又素間にも五運六氣の説があります。何れも時候の大切なことを示したものとして太いに研究すべきではないでしょうか。※八味丸は小便不利が主です。　小便の出が悪くて下腹が引きつったり、麻痺がおきたり、腰痛を起こしたり、呼吸困難を生じたりしたもの　又小便が自利している様な人で、腰が張ったり重かったりすると恩ったら　　　　　その前に必ず水を飲んでいるということが条件になります。例えば、夜中に二、三度小便に行く人は、夜、水や果物を摂っているのです。そうでない時は八味丸の適証ではありません。

頭部・顔面の望診

頭部・顔面の望診頭部や顔面の状態をきめ細かく観察することによっても望診出来ます。毛の細い人は内寒の人か多く、太い人は内実です。髪の毛が薄くなる人は肺虚体質、早くから白くなる人は腎虚体質、円形脱毛症になる人は肝虚か腎虚体質、フケが多い人はノボセが原因した肝虚か腎虚体質です。このように、体質的なものを見抜いて、細かな観察を進めるのもひとつの方法です。〔１〕顔でわかる珍断法1目と眉の間、鼻根の周辺の色変によって、五臓のどこに病気があるかがわかります。例えば、青っぽい人は肝病、白っぽい人は肺病というように判断します。2 顔面のそれぞれの部位にあらわれた症状によって、五臓のどこに疾患かあるかがわかります。例えば、白眼が黄濁であれば肝虚、鼻がつまれば肺虚、ロ唇が荒れてびび割れている、また白い人は脾虚というように判断が可能です。

人体の寒と熱について

人体の寒と熱について以前、人体の口から肛門までの区分を上焦、中焦、下焦に分け、全体を三焦とし、その各々の働きについてのべました。今度は人体を輪切りにした場合を考えてみましょう。外側→表中→裏表皮膚及びこれに接する部位を総称していうが、この部位は常に外界の影響を受け易く、体内に生じた過激な内的エネルギーを水と共に発散して、常に内臓その他の機能が働き易い最適な温度を保っています。この部位に病氣が生じると、発熱という症状が起る。皮膚が冷えた時に、その冷えが生体内に影響を及ぼさないように、熱が体表に集まり、体表よりの熱の放出を押えます。その時、汗腺は閉じて発汗は止み、劇しい時には毛穴が立ちます。そして筋肉運動によって熱の生産が行われ、身振るいとか、悪寒が現われ、冷えと対抗しようとするのです。この均衡が破れた時"風邪"という症状を現わすことになります。この場合、皮膚の機能が強ければ冷えに勝つことが出来ます。この時、体熱は血液と共に体表に送り込むために全身が活動し、外邪を防ぐわけです。破れれば、発熱、頭痛、悪寒といった症状が現われることになります。これを表証といいます。裏主に内臓を指しますが、その殆んどが、皮膚と筋肉によって覆われた人間の生きるための工ネルギー生産工場だと考えていいのです。この工場は食べた飲食物をエネルギーに変えるための五臓六腑に分かれて分担していますが、その各々の動力が平均して作動していれば、全てに無理がなく、健康でいられるわけです。しかし、原料である飲食物の内容、割合が問題で、そこに「食養」が生まれて来きます。すなわち熱を持ちすぎたり、冷やしすぎたりするといろいろの変化が生まれてくるからです。裏、すなわち五臓六腑は、筋肉と皮膚とに保護され、皮膚は又筋肉を守っています。この筋肉にも大きく分けて二通りあります。●骨について運動を起す筋肉●内臓の機能を正常に働かせる筋肉エネルギーを貯えるところであるともいえます。総称して、半表、半裏という。裏に病邪が停溝すると、咳、胸痛、腹痛、下痢を起す。これを裏証といいます。半表、半裏に変化が起きると、病邪と体力とが領分争いを起こし、悪寒や発熱が交互に起こり、裏証も表証も現わすことがあります。飲食物による寒と熱は消化器系に及んできます。一応体温より高い食物を熱食として、低い食物を寒食とするが、寒食を常に摂取していると、消化器系の働きが抵下するので、その様な時には高カロリーの食品を多くして防がなくてはなりません。「飲食労倦は脾を傷る」といって、飲食物の不摂生や精神的疲労、肉体的疲労が重なると、脾、胃の働きを悪くするという理由はこれです。外界の風、熱、湿、燥、寒の五邪（五悪）が皮膚を侵すと健康を阻害されやすくなります。なぜならば皮膚の一番重要な働きは、常に外界との調和にあるので、外界の変化に対応出る様に皮膚を鍛練しなければならないのです。しかし、内臓が虚弱になると、皮膚も虚弱になってしまいます。その理由は、内臓が機能抵下を来たすと、皮膚に回るべき血液が内臓を補強するために使われることが多くなり、皮膚の方にそのめぐりが少なくなって、皮膚に栄養を与えることが出来なくなってしまうからです。その根本は裏にあるので、表と裏との調和も必要なのです。表に風が当ると体表の熱と水気とが奪われ、涼しさを感じます。しかし、気持が良いからといって風に当りすぎると、体内からの補給も充分でなくなり皮膚が弱ってしまい、機能が低下してしびれ、麻痺を起したりします。この様に皮膚の働きが弱まることを表虚といいますが、表虚になると発汗が順調に行われず、多過ぎたり、不足したりして、その結果皮膚における寒、熱に狂いを生じ、内臓にも影響してくるわけです。寒は皮膚に当ると冷えて体が縮まります。汗腺が閉じて外寒を内に入れまいと緊張して筋肉まで固くなることがあります。したがって汗は出なくなり、外寒に対抗するため人体の熱が体表に集まり、皮膚に熱の堤防を造って外寒の侵入を防ぎます。外寒が激しい時は、熱が負けそうになるので、筋肉において熱産生が盛んに行われます。これが悪寒とか身振るいになって現われます。この状態を「表が実している」といいます。これは一般的な現象で、熱の堤防が強くなりすぎると熱は裏に入り、内熱と合わさって表を暖め、発汗する様になります。又、病いでなくても内熱の人は汗をかくことが多いのです。

八味丸の使い方

八味丸多くの漢方の先生方が好んで使われてきた処方の一つが八味丸です。八味丸は下虚して氣動上衝、下虚に伴う循環障害(血証)があり、下虚による水分の代謝障害があるものと理解される。それを具体的に症状を挙げて説明すると、下虚とは腰仙髓断区の無力状態で、下腹部の筋肉の緊張や泌尿生殖器の弛緩性になり、或は下肢下腹部に知覚麻痺、運動麻痺を起こし、小便は脱漏的に多尿になる。但しこの反対に仮性の緊張即ち実際には無力性でありながら現象的には下腹部が緊張したり、尿利が減少したり、腰が痛んだりすることがある。下虚によって三つの状態が起こるその一つは水証で尿利の変化が起こり、口渇が顕著である。但しこの口渇は水証単独で起こるのではなく、血証と相俟って顕著になったものだ。その二つは気衝で、下虚すると氣の上衝を起こすとの考え方が漢方にある。今の場合はそれが腹部大動脈の亢進や呼吸促迫や吐血などの形で現れる。その三は血症で、前記の激しい口渇、吐血などがそれであるし、また血熱と称して恐らくは毛細管の鬱血によるか血波の粘調度が増すものか（それは水分代謝障害とも関係）例えば皮膚掻痒を起こしたりする。それから下部は漢方では腎に属するといって泌尿生殖器副腎の機能に関係する部位だから、その方の症状が現れる。例えば副腎皮質ホルモンの障害によって、皮膚や舌にメラニンの色素沈着を起こして黒ずむ事や、虚証だからインポテンツを起こしたりなどする。腎は耳と関係するとの考えから腎の虚なので耳聾なども八味丸で治す場合がある。八味丸の応用は前記の範囲で巧みに症状をつかまえていくと・疲労・泌尿生殖器疾病・下半身麻痺・糖尿痛や副腎皮ホルモン障害などの新陳代謝・皮膚病・耳病・血管病など非常に広い範囲の病気を取り扱うことができる。八味丸を用いる證　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（新古方薬嚢）・身體疲れ易く下腹がつって痛み腰も亦痛み小便の出悪しき者、脚氣にて脚や下腹部のしびれてカ無き者ヽのどが大いに渇いて水を欲しがり、小便の出よろしくして飲めば飲んだだけ小便に出る者・小便の出は普通なれども息切れし易き者、婦人にて息切れして夜よく眠られず手足のほてる者。・水氣があって本方に宜しき者あり、又喘息にて本方に宜しき者もあり、本方は応用範回極めて広し、実地に就いて研究してください。運用１　　口渇著明　尿利増加これは『金匱要略』の消渇小便利淋病第四条「男子消渇、小便反って多く、飲むこと一斗を以って小便一斗なるもの」というのところにもとづいている。消渇とは口渇があって水を飲むと、その水が小便に出ずに途中で消えてしまう所から消渇の名があるのだが、それならば小便不利になるはずなのに、八味丸は小便自利なので矛盾しているから反ってと記したのである。下虚して排泄力が無気力になっている為、ドンドン漏れてしまうとの考えに従っている。かかる症状を臨床に当てはめてみると糖尿病、萎縮腎、前立腺肥大症などにしばしば見られる所で、夜尿症などもその応用例と考えてよい。その他小便を帯下に転用することも出来る。即ち薄い帯下が大量に出るものによい。また皮膚病だろうが耳病だろうが、病名の何たるを問わずこの指示症状があれば本方の適応証になり、応用の範囲はすこぶる広く、活用の妙は極まりない。口渇も尿利増加も顕著だから、その程度を見れば殆ど他の処方と誤ることはないが、八味丸は、痩せた人は貧血性で脈が沈んで弱い肥えた人は色が浅黒く脈が大きく硬いの傾向があるからそれを参照すればよい。或いは下条に出て来る下腹壁筋の緊張異常や腰痛なども参照するとよい。口渇と小便の関係から類証鑑別すべきものは小建中湯　　　口渇小便自利の傾向があるが、その程度は軽い。八味丸は顕著である。白虎加人参湯　口渇は著しいが小便は正常。五苓散　　　　口渇は著しいが小便は不利。猪苓湯　　　　口渇は軽く小便は頻数又は排尿困難。運用　　これは『金匱要略』の血痺虚努病第十五条「虚劣の腰痛∴少腹拘急し、小便不利のもの」によったのだが、前条の小便自利とは反対に小便不利になっている。　１つの処方が反対の症状に適用されるのは一見矛盾しているようだが、漢方ではこういう例がかなり多く、不眠の処方を嗜眠に使ったり便秘の処方を下痢に使ったりするなどがそれである。だから漢方の処方は作用を一方的に考えずに可逆的、調節的だと考えた方がよいのだ。今の小便の場合も無力性だから洩れるとも考えられるし、無力性だから排尿力が弱いとも考えられるのである。少腹拘急、即ち下腹部の腹筋緊張があるだけで腰痛が著明でないこともあるが、小便不利なら八味丸の証とすることが出来る。また腰痛と小便自利があっても差し支えない。しかし腰痛、少腹拘急、小便不利の症候群として現れる公算が最も多く、代表的といえよう。この時の脈は沈のこともあり、腰痛や少腹拘急が著しいと弦になることもあり、脈は必ずしも一つの脈状ではない。この条文の応用としては腰痛、坐骨神経痛、神経衰弱で腰痛するもの等腰部疼痛を主訴とするものと、小腹拘急を応用して下腹部がつれて痛んだりするものに適応されるから、急性膀胱炎、閉尿(例えば尿毒症、産後や産婦人科外科手術後に反射的に起こるもの)陰茎や陰門強直症等に用いられる。虚症で腰痛、少腹拘急、小便不利の三症候郡があるときには区別を要する処方はないが、そのうち二つしか揃っていない場合だと類証鑑別をようするものがある。大黄甘遂湯　下腹部が張って小便が出にくくなる点は似ているが、これには口渇がなく、小便も八味丸は量や回数が減るのであって排尿は楽に出来るのに、大黄甘遂湯は排尿そのものが困難な点が違う。八味九は小便を出したいと思わない方だし、大黄甘遂湯は出たくても出せない方である。八味丸は下腹部がつれたり緊張したりするが、大黄甘遂湯は膨満又は膨満感を主とする所も違う。猪苓湯　　口渇と排尿痛や排尿困難があって紛らわしいことがあるが、口渇の程度が軽く、腰痛や少腹拘急はなく、脈も浮の傾向を持っているから、八味丸の口渇著明、腰痛少腹拘急、脈沈と区別される。桂枝加龍骨牡蠣湯　少腹拘急があるが、これには口渇小便不利がなく、気上衝の症状があり、脈は弦などのことが多く、沈弱にはならない。腰痛を主訴とする場合でも、他の処方は虚実の違いや口渇、少腹拘急、小便不利の大部分が欠けているから、概ね区別は容易である。運用3　　下腹部軟弱や麻痺性のものこれは運用2と反対に下腹部の腹壁が軟弱である。それを証明するには上腹部と下腹部とを比較してみれば直ぐ判る。或は運動麻痺、或は知覚麻埠のこともある。このような麻痺性は下虚即ち下腹部、腰部、下肢の無力性言弛緩性によるものと説明される。これは『金匱要略』の中風歴節病第二十条の「脚気上入、少腹不仁」と表現している。脚気による麻痺が下肢から漸次上方に及んで下腹部までも達したとの意で、不仁とは人の如くならず、即ち通常の感覚を喪失し麻痺していることである。この場合も口渇や尿利の異常を伴うことが多い。応用は脚気、脚弱症即ち脚にカがなくがくがくするもの、下肢或いは腰部の麻痺、萎縮、足腰の立たぬものなどである。このアトニー状態と小便自利を生殖器機能に転用して、陰萎、夢精、遺精、早漏等の神経衰弱に八味丸を使うことが多い。下半身の麻痺に対しては桂枝加附子湯、桂枝加朮附湯も使うが、尿利異常はなく、少腹不仁もない。越婢加朮湯　　　　脚弱症に使い、口渇小便不利の傾向があるが実証である。八味丸　　　　　　虚症である上に少腹不二は八味丸特有である。天雄散　　　　　　性的神経衰弱。桂枝加龍骨牡蠣湯　性的神経衰弱も治すが、口渇や尿利に変化はない。運用4　　浮腫があり口渇尿利減少するもの前条に於いて既に述べた所を再び繰り返すことになるが、虚症でかくの如き症状を呈する脚気、腎炎、ネフロ‐ゼ、萎縮腎等に本方を使うことがかなり多い。五苓散　口渇尿利減少があるが、五苓散の脈は浮、八味丸は沈だから直ぐ区別ができる。五苓散は發熱症状を伴う急性期に使うことが多く、しばしば胃部振水音(胃の回りに水が多くなるが)認められる。八味丸はたとえ發熱していても發熱症状は殆どなく、胃内停水はなく、少腹不仁があることが多い。運用5　　皮膚や四肢が煩熱するもの煩熱とは、ほてって苦になる意だが、皮膚面がやや乾燥気味で何も着色変化のない場合と、乾燥して赤黒くなっている場合と、皮膚に変化がなく筋肉がほてってだるいような気持ちがする場合とがある。四肢と限らず背中でも構わぬ。やはり口渇尿利の異常を伴うことが多く、脈は運用一に述べたようになっている。老人性掻痒症、湿疹、乾癬、苔癬、頑癬等各種の皮膚病に上の目標により八味丸を使う。また『金匱要略』の婦人雑病第十九条「婦人の病、飲食もとの如く、煩熱し臥すこと能はずして反って倚息するは何ぞや。これ転胞と名づく。溺することを得ず。胞系了房するを以ての故にこの病を致すときは則ち愈ゆ」とあるが、その煩熱は手足に限らず全身的なものと見てよいが、殊に手足ではその感が強いのが常である。倚とは坐位呼吸、転胞とは胞系がよじれる意で、尿路がよじれて小便が出なくなると考えたものだが、必ずしも輸尿管捻転というように直訳して解釈する必要はなく、むしろそうして誤解を招くおそれがあるから、ただ尿閉だけを取って臨床に当てはめた方がよい。臨床的には産婦人科的疾息で尿閉を起こし煩熱して苦しさのあまり寝ていられぬもの、尿毒症、喘息、肺気腫、腎臓結石などで苦しさのあまり坐位をとり、そのため小便も出ないというものに本方を用いるとよい。脳溢血、高血庄症、動脈硬化症などで脈が大きく堅く、煩熱を覚え、口渇尿利減少するものに使う。

漢方　診断法

漢方　診断法漢方には望診（ボウシン）、聞診（ブンシン）、問診（モンシン）、切診（セツシン）の４つの診察方があります。　望診病人の姿勢・顔色などを目によって診察し、病状を知ることです。1　精神の状態をよく観察する(イライラ・ソワソワしていないか)2　顔の色・光沢を見る(顔の色艶はどうか)3　舌の様子を観察する4　病人の体形・姿勢をみる(太っているか、やせているか、全体的に調和しているか)舌診では患者さんの内臓熱・水毒の程度・血滞・血熱・病の虚実まで様々な情報を得る事が出来ます。　　　　　　　　　　　　　　　　　聞診耳で患者さんの音声のひびき、話し方・体臭を嗅ぐことによって診断することです。問診「患者さんの訴え」を聞きだす方法です。漢方では「患者さんの訴え」を最も重要視します。それは一人一人の体質が異なり、病状も異なるからです。問診は細部まで丁寧に行われます。1生年月日　　2氏名　　3体重、身長　4現代医学ではどういう病名を診断されたか　　5病氣が発した時期　6主訴　7感熱　　8汗の具合　　9頭痛の有無前後　　10肩こり　　11大小便　　12食欲　13口渇　　14胸部の状態　　15耳は良く聞こえるか切診手で直接触れて脈診や腹診をする方法です。日本には漢方古方派で発達した素晴らしい独特の腹診法があります。　以上、四診は互いに関連性があり、四診を巧みに組み合わす事により漢方の「証（漢方の診断）」を決定します。　漢方医学の診断法は、西洋医学とは全く異なります。西洋医学の診断は、病名を決定する事です。その後、治療法を決定していきます。　一方、漢方医学では「証」を決定していきます。例えば、肝炎で「黄耆建中湯証」と鑑別されると、黄耆建中湯という漢方薬で治る肝炎と言う意味になります。つまり漢方の診断は治療法の決定をする事です。　漢方的にみた疾病の原因漢方では人の健康を阻害している疾病の原因となるものを三つの因子に分類しています。それぞれを 1外因 2内因 3不内外因とし、総称して三因と言います。外因は主に人体の手足、九竅が閉じ、通じなくなって起こるものです。内因は主に人体にあって経絡に邪を受けて、臓腑に入り病氣の原因となるものです。また外因でもないものを不内外因といって区別しています。外因五邪風邪・熱邪・湿邪・燥邪・寒邪内因七情感情の太過　怒・喜・思・憂・悲・驚・恐不内外因過飲過食・疲労・五労・房労・虫獣傷害・外傷・寄生虫・中毒・遺伝疾病の原因風邪(風は木に属し軽く当たれば涼しさを与えるが、強く当たれば風邪となる。皮膚の熱と汗が奪われ虚弱になります)風邪が原因した疾病の症状は、自然界の風と良く似た様相を呈します。風のように変化が速く、発病が急な場合が多いのです。震顫(手足のふるえ)、　筋肉の引きつり、などが現れてきます。風邪の一般的に症状としては・発熱、悪寒、頭重、鼻塞、流涙、喉頭発痒、咳、脈浮緩、舌苔薄白などが上あられます。　脳梗塞のことを中風といいますが、風邪は神経がおかされたために起こる疾病なのです。寒邪(寒は水に属し体内の正熱との争いが皮膚面で起こり、正熱が負けると寒邪になります)風邪と寒邪にやぶられて病を、発するのは『傷寒論』が主体になります。寒邪によって起こる疾病は、自然界での寒冷現象である結氷、凝結などに似ています。身体の冷え、鼻水、清冷な水液様の一般的な下痢といった疾病の状態があげられます。　　寒の一般的な症状としては、悪寒、無汗、発熱、脈浮緊、舌苔白潤などです。熱邪　(主として『金匱要略』の喝病篇にあります)天から受ける熱、地から発する火によった熱邪となりますが、暑い季節は湿気を伴うことが多く、暑熱と暑湿の二つの熱邪による疾病の分け方がなされています。前者には、高熱、口渇、無汗あるいは大汗出、舌苔乾燥などが現れます。　後者においては、四肢倦怠、食欲不振、悪寒、嘔吐、舌苔が現れます。湿邪(主として『金匱要略』の湿病篇にあります)湿邪に起因する疾病は、自然界での湿化現象です。元来、湿は除去しにくく慢性化する場合が多いのです。関節をおかすと「湿痺」と呼ばれる関節痛や運動障害が現れ、体表をおかすと四肢沈重の症状が見られるようになります。　また湿邪は脾をおかしやすく、消化不良、食欲不振、腹がはる、脈濡緩などが現れてきます。さらに湿邪の疾病には体内に起因する内湿のものがありますが、これは脾虚による津液の運かが円滑に行なわれないためです。肺水腫、脳水腫、湿疹等も湿が原因で起こることもあります。燥邪自然界の乾燥によって起こります。鼻血出血、鼻孔乾燥、口腔内の乾燥、唇の乾きによる割れ、のどの乾燥による痛みや不快感があげられます。そそのほかに、乾咳、肌の乾燥、舌乾少津などが現れます。燥邪は　体内に水分不足の状態をきたす元です。不内外因について過飲過食飲食物は栄養源ではありますが、無節制な摂取は脾胃をきずつけ、消化・吸収機能を低下させる疾病につながる場合が多いのです。1不摂生な飲食は、胃酸過多、大便の異常、食欲不振、下痢などを起こし、潰瘍が出来る場合もあります。2生・冷・未熟なものを食べると、胃腸の熱が奪われ機能低下して、腹痛、吐瀉などを起こす事があります。3五味を偏食すると臓器の機能が片寄り、相剋の関係で制御しあう事になります。4酒の飲みすぎは酒毒の気味甘温により、気血を傷害します。姿勢でわかる診断法1腰が曲がり、前かがみで歩く腰が曲がって伸びない人、指先の関節が思うように曲がらない人は「筋」の疲労ないし異常をあらわしている。その原因としては、まず「肝」を考え、次に「心」を疑ってみる。2立ち姿勢ですぐ疲労、不安定な歩き方立っているとすぐ疲れ、歩行も不安定な人は「骨」が疲労しているか、正常ではないことをあらわしています。その原因として、まず「腎」を考え、次に「肝」を疑ってみる。 3座時、すぐに前傾姿勢になるこの姿勢をとる人は、臓腑の「氣」が弱まっていて、体力的にも全体に衰えていることをあらわします。　4座るとすぐに足を前に投げ出す腰腹部をかばっている姿勢で、腰痛や腹痛などの異常がある場合が多い。5いかり肩とダラリ肩いかり肩は内臓が強すぎて五蔵のバランスが崩れている。ダラリ肩は内臓が弱りバランスが崩れていることをあらわします。体格で分かる診断法1手足の太い人・細い人太い人は「実証」タイプが多く、特に脾胃は熱實です。反対に細い人は「虚証」が多く、胃下垂が酷い場合には内臓下垂もあらわれ、主に内寒の証です。2腰の前屈と捻転ができなくなった「腎虚」の場合が多い。　　3猫背の人「胃弱」タイプが多く、甘いものを好む人は「肝虚」です。4目が落ち窪み、頭部不安定な人「精神不安」「ノイローゼ」になりやすい。鼻汁鼻汁が水様性で鼻詰まりをするのは、肺気が通じていないからです。傷風感冒とかある種の伝染病の初期にみられます。鼻汁が水様性から粘ばりがあるものに変わってきたら、感冒は回復に向かっている証拠です。鼻汁が黄色で不快臭があり、頭痛を伴うもの。

教えて頂いた事　11 味わいある人生の過ごし方

教えて頂いた事　11 味わいある人生の過ごし方【生きていることは辛いこと。実は私もずっとそう思って生きてきました。それは間違いと教えて頂きました。そこで皆様へもお伝えいたします】　　「嫌だ」と思って、学校にいても、会社に勤めても、家事をしていても、その間は感動と喜びがありません。どのような気持ちで生きれたのか、それが人生の中で最も大切なことです。気持ちを大事にしないで、素晴らしく生きるという姿勢は開発できません。ケーキを買うのも物質的に買うのではなくて、「美味しそうだ」という気持ちで買ってみてください。薬を飲む時も、「凄く効きそうだ」と思って飲んで下さい。味わいが変わります。　子供に教えるべき事。他人に勝って金を残すということではなく、感動と喜びを味わえる心を開発するということです。人は不平不満を言って、自らを省みない生き方を長く続けています。その場では楽だと勘違いしますが、本当の幸せはつかめないのです。喜びの味わい方。今まで出来なかったことが、本当に努力して出来るようになった時。相手ために役に立った時。この二つが大切なポイントです。まず今日一日を大事にして、感動して生きてみましょう。

教えて頂いた事　10　感謝の出来る人になると、幸せになれます

教えて頂いた事　10　感謝の出来る人になると、幸せになれます感謝の出来る人になるときっと幸せになれます。夕焼け美しいと感じます。その美しさから、感じ取れる目を与えてもらった事に感謝できる人となりなさい。病氣ーこれがあったから命を感じる発展があった。何事でもプラスに変えて行く。心配事で生きていくのはマイナスの生き方です。感情に流されるということは自由な意志がないということです。自由な意志を開発してください。朝、目が覚めたら、今日も1日を与えてもらったと、生きる愛を持ち生きてみる。人生旅行での最高のもは、感動する時間です。相手の為に、己を捨ててみなさい。自分が生きたことが相手の喜びになれれば、素晴らしくなれます。争いの概念ではなく、素晴らしく生きることに概念を変えてください。

教えて頂いた事　9　争いの観念

教えて頂いた事　9　争いの観念争いの観念が人間にはあります。観念がかわると素晴らしさを感じれるようになります。ただ食べて、1日を過ごしていくよりも、素晴らしく生きたいと過ごしたほうが徳です。意識が争いから抜けきらないときには疲れが取れず、朝起きたときキツイと感じる事が多いのです。　してあげようと思う心、親心が最も大切です。他の人にも親になった気持ちで接してみてください。観念が変化していくはずです。