苦悩の中に人生の幸福がある
苦悩の中に人生の幸福がある 人生の幸福というものを安易な世界に求めてはいけません。言い換えれば無事平穏を幸福の目的としないことです。だからしたがって、苦悩を嫌い、それから逃れたところに幸福があると思っては断然いけないのです。そういうところに本当の幸福は絶対にないからです。「健康なら幸福だろう」とか「運命がよきゃ幸福だろう」と、こういうふうに考えるのは、小成に安んじようとする凡人の気持ちというべきなのだ。本当の幸福というものは、健康や運命の中の苦悩というものを乗り越えて、それを突き抜けた處にあるのだ。 本当の幸福というものはね、凡人の多くが忌み嫌う苦悩というものの中にあるのです。すなわちその苦悩をわかりやすく言えば、むしろ楽しみに振り返るという處にあるのです。観念要素の更改法を使えば、さほど難しいものではありません。どんな場合でも自分の心の中に、素晴らしい幸福感を持てる人間になることを心がけないといけない。そうすれば苦悩の世界にいても、苦悩を感じない人間で生きられるという本当の幸福を味わえるからだ。そうなると苦悩を克服する困難な努力をしないでも、常に運命的にもまた健康的にも、断然なんとも言えない荘厳に雄大に、人生の生きられる所謂自己人生の勝利者となれるのです。 私が平素苦心している「晴れてよし 曇りてよし 富士の山」というのは、結局そういう気持ちを言うのですよ 人生の幸福は、あらゆる苦悩を苦悩とせざる心の中に存在する。而して、この信念こそ人をもってもっとも価値ある生きがいを感じせしめる、ただ一つの要訣である。 天風先生曰く、「夜」の世界こそは、わが生命が、宇宙霊の絶大なる「力」と結び合おうとする尊い時であると同時に、心なく生きる人を向下へと堕とす悪魔の跳梁する心許すまじき時なのです。「寝る前の最後の思考は、朝の最初の思考となる。寝ている間、夜通し、8時間、それは底流として流れ続けている。」夜の寝際に、「明日は朝の5時に起きるぞ」と思いながら寝ると、ちゃんと朝5時に目を覚ます体験をしたことがあるはずです。この作用を活用したのが、「観念要素の更改法」なのです。そして、朝起きたら、「私は○○が強くなった」と断定暗示をするのです。朝は、鏡はいりません。この断定暗示は、昼間も機会あるごにやると効果が倍増します。たまに、「強くもなっていないのに、”強くなった”などと嘘はつけない」という人がいます。でも、それは違うのです。1日実行すれば1日分強くなったのです。3日実行すれば3日分、1か月実行すれば1か月分強くなっているのです。 生きがいある人生 生き方一つが、その人の人生を幸福にもすりゃ不幸にもする。「世の中が悪いから幸福が来ない」とか、「世間が幸福になれない人で埋まっているから、自然に俺もそのトバッチリを食っているのだ」というような事を言っていたら、もうそれは甚だお気の毒だが、低級な人生思想をもっている人だと言わざるをなりません。 生きる心構え 遠慮ない言葉で申し上げると、あなた方は確かに現在人生に生きておられる。生きておられるけれど、はたして生きる心構えというものが正しく用意されて、日日の人生に生きておられや否や? 御自分でお考えになっても、あるいはわからないかもしれません。どんな人間でも身びいきと自惚れがあります。 病になった場合や運命が悪くなった場合、己が蒔いた種に花が咲いて実がなって、かくあるのだという事には気が付かずにいます。いかかです? 病になったり不運になったりしたとき、概ね多くのあなた方の考え方は「罪は自分にはない」と、このように考えてはいませんか? 風邪一つひくのだって自分が蒔いた種に花が咲いたのです。