漢方的に見た心のからくり
藤本肇先生の講義より 心のからくり私は催眠をやってきました。その中で心のからくりを知る事が出来ました。自信に満ちて行けば、薬剤の効果を発揮するのです。 現代は多くの方の心が滅びるのを、助ける事は医師だけでは間に合わない時代になりました。健康を考えた時には、私たちは恩恵というものを、よく考えなければなりません。受け身の心で生きていけば、脳波がα波になります。そうなれれば人生が凄く豊かになります。更に自然治癒力が上がります。実際の例では東京の洪泳会 東京洪誠病院のドクターは患者さんに座禅を組んでもらい、薬を出来るだけ減らす取り組みをやられています。松坂の長女が私に送ってくれた本があります。そこには心に届く言葉が書かれていました。私に直接言えない言葉を本にたくしてくれたと感じています。自分自身から感謝する気持ちにする事が出来れば、色々な事が変化して行く事を体験して頂けます。人生は豊かになります。私も患者さんにお伝えしてきましたが、言葉が届いている実感を得ています。ある男性はこれを聞いて涙をホロホロと流されました。本日は先生方にご紹介させて頂きます。患者さんに伝わり・先生方が心の灯になって頂けるようになられる事を願います。まず先生方ご自身が感謝の気持ちをお持ちになられて、それが患者さんに伝わっていく事を心から願っております。 感謝します。詩のご紹介 貴方のお陰で 心が潤いました。貴方のお陰で 独り立ちできました。貴方のお陰で 楽しく生きられるようになりました。貴方のお陰で 毎日がバランスよくなりました。 貴方のお陰で 素直になれました。貴方のお陰で 成長しました。貴方のお陰で 勇気が出ました。貴方のお陰で 優しくなれました。 貴方のお陰で 元気になれました。貴方のお陰で 自分が誰なのか分かりました。貴方のお陰で 自分が誰じゃないのか分かりました。貴方のお陰で 綺麗になれました。 貴方のお陰で 今の私があります。貴方のお陰で 何もかも貴方に感謝します。 この感情が凄く大切だと70歳にして初めて体験しています。医師は専門部門には詳しいのですが、全般的には無知な方が多いようです。抗精神藥をやたらに出される方がいらっしゃいます。心の作用の中に、4つの作用があります。情報化社会への対処貴方に自身にとって、マイナスの情報によって心が迷い、枉げられて感情的になり、心が阻害されるようになり、憎しみ・妬み・そねみ・怒り・迷い・疑い・心配・イライラ等がうまれます。そうするとストレスになって心を傷つけ、その為にノイローゼを起こす場合もあります。漢方的に考えると、氣が発散できず体内にこもり、血に熱を持ってしまうことになります。色々な情報も各人の受け止め方によって葛藤、ストレスの大きさも大いに違います。その受け止め方によって何でもなく過ごしてしまうこともあれば、マイナス感情が生れて来る人もおります。これが心に生ずる恐ろしい変化で、このような悪感情を生じたら、すぐにでも発想の転換をして消してしまわなければ、血に熱を持って血液のめぐりが悪くなり、身体の健康が保ち難くなってしまいます。そのような場合には、如何にしたらよいか?を考える必要があります。この事は本当に大切です。 想像力を引き出す自己暗示 皆さんにもよくあることでしょうが、自問自答するでしょう。一体誰と問答をしているのでしょうか ? それは、もう一人の自分と話しているのです。松原泰道師の著書にいわれている、自分自身のなかにもう一人の自分がいる、言い換えれば、建前の自分と本音の自分なのです。心のからくりには色々と法則があって簡単に行うべきではないけれども、心の二面性を理解すれば、自己暗示によって、心の切り替えが出来る筈です。 貴方自身の考え方を切り替える訓練をどのように行ったらよいか常に考えてみることが必要なのではないでしょうか。自分も納得してみる事が大切であると私は思います。 例えば、病氣に侵された場合、どのようにすれば感謝の氣持ちに変えることが出来るのか自分自身考えてみる事であるし、まず自分が体験して、病気にかかったらどのような考えかたをしたら心が静まるのか、感謝できるのかを自分自身に問うて考えてみてください。自然と心が洗われて、人間性が高まってくるはずです。自己暗示とは如何なるものか考えたことがありますか? それは、自分自身に暗示をかけることですが、それは、自分のもっている想像力をかきたてることでもあるのです。 我々は自分で言っている言葉は、半分は自分自身も聞いています。自分自身に言い聞かせていることなのです。自分で自分を納得させていることなのです。自分がもっている想像力を強くして、自信をもたせることなのです。エミール・クエは自己暗示による人間の強い想像力に訴える藥の治療法を考えだし、ナンシという町にその治療所を開設し「クエ式自己暗示法」なるものを創案して、先生独自の心療法で多くの患者を助けて人々を喜ばせました。 その理論とは、「患者に藥を与えた場合、出来るだけ少量の藥で、より多くの効き目がでるように研究した結果、人間の心のなかにある想像力を引き出した方が、効果的にも健康的にも良いということがわかりました。それは、意識層をゆるめて心のトラブルをなくすことであり、ストレスを除外して自我を捨て、感謝の気持ちを持つ事で、より高い想像力を生ぜしめるものである」とわかったのです。ここに催眠術による想像性開発というものが大切であるといえるのです。 大脳皮質について次に大脳皮質生理学なるものを簡単に理解していきましょう。大脳皮質には約140億の脳細胞があり、その細胞には足があって足と足の絡みつきをシナプスと呼んでいます。情報が入るに従って回路が多くなり、20才ぐらいには8千億出来ると言われています。大脳皮質には新皮質と「意識層とも顕在意識層ともいいます」と旧皮質「無意識層とも潜在意識層ともいいます」とがあって、常に情報の流れを受け取っていますが、大脳皮質には検閲層と呼ばれる層が存在し、情報の制限が行われています。いわゆる心の門番です。主に新皮質に多く、顕在意識が緊張すると検閲層も同じように緊張して情報の選択を行うのですが、我々は毎秒1400億ビットの情報を受けています。このように、情報はどんどん入ってきて新皮質から侵入し、旧皮質に沈殿してしまう記憶の宝庫であります。一度受けた情報は忘れることは出来ないのですが、新皮質と検閲機関である検閲層の緊張がとれて眠くなると、緩んで旧皮質に侵入した情報を取り除くことが出来るのです。 睡眠と脳細胞我々が眠ること、リラックスすることは、新皮質を弛緩させるということです。睡眠についていうと、大脳皮質細胞を全部休ませて無意識以外の意識、即ち新皮質を完全に眠らせる状態ですが、世の中の多く人はこの睡眠と催眠を混合して考えている事が多いようです。しかし、この2つは異なった状態であり、催眠は意識細胞の一部だけを常に起こしておき、必要以外の意識を眠らせる半睡眠の状態を指します。人間は1日に3回から8回程度、夜間寝ている時から朝までに、類催眠状態を経験していますが、それを意識的に感じています。・脳細胞は再生不能でありますが、その脳細胞が生き生きとした活力を保つためには、睡眠を充分にとり、脳を休ませる以外に方法はないのです。その為に動物は眠るのです。脳の細胞の働きをよくするためには、色々な条件がからみあって、逆説睡眠時に改善されることは、判明しています。この状態は、新皮質が一部起きているときであり、催眠術による反応と非常に類似しています。この時には、その人が昼間あった葛藤を出してしまう時なのです。また、催眠暗示を与える事によって、無意識層にたやすく必要なプラスの情報を送り込むことも出来れば、マイナス情報を引き出すことも出来るという心理療法が研究されているのです。 催眠の原理大脳皮質、特に新皮質は、音とか光などの刺激といった一定の波長によるリズミカルな活動には非常に弱く、簡単にヨロメキ出して情報のチェック作用を怠る性質を持っています。医藥品としては軽い安定劑、その他少量の酒、趣味など、心の休まる事等があります。この時、自分の身辺に何事かが起きると、好むと好まざるを問わず、しかも無批判に検閲層を通り抜けて、古い皮質に刻み込まれてしまうのです。 もし、そのリズム事柄が繰り返されるときには、無意識の中に同じ考え方を植え込むと、多くの人が同じような行動を起こすようになります。これが群集心理の起こりで、大衆催眠術の原理です。かのヒットラーは、この原理を上手に利用した大衆催眠術の第一人者だといわれています。しかし、自己催眠は自己暗示によって自己の責任で行うのですから、その点は安心です。うたた寝はこれほど気持ちのよいものはないのですが、これが逆説睡眠の状態とほぼ同じ状態であり、学校や職場、仕事中や乗り物の中、講演中、勉強会中、研究会中のウトウトするうたた寝は、新しい皮質の一部が眠り、古い皮質は全然眠っていないのです。ですから、外部からの音や声は聞こえているのです。下車駅の近くになるとパット目を覚まして降りる姿を見るのもそのためなのです。 意志逆転の法則大脳皮質生理学では、意識層と無意識層との関係を表わすものに「意志逆転の法則」があります。この法則は、心のカラクリを知る面においても大切なことです。まず、この法則を説明して理解を深めたいと思います。 1・意識層=意志「新しい皮質または顕在意識ともいいます」と 無意識層「観念または古い皮質とか潜在意識ともいいます」とは緊密な関係を持っていますが、考え方が対立している時には通常では勝利者は観念であります。人間の行動は、本能的に動くのです。2・意志と観念との考え方が対立している時には、観念の力は意志の力の二乗に匹敵します。3・意志と観念が同一方向に協調している時には、そこに生じる力量は和ではなく積となります。「なにをしても楽しく、希望に燃えて来るのです。」4・観念は、自己または他人によって誘導する事が出来るものです。…自己暗示を繰り返すことによって方向を変える事が大切です。一度や二度では簡単には変わりませんが、これが一種の催眠暗示につながるのです。心には四つの作用があるといわれています。① 私はそう想像する。②私はそう思う。③私はそう信ずる。④私はそうなってしまう。この4つの心の流れがもっとも大切です。ですから私は、感化力は信頼と共感が生れたら、偉大な力を発揮すると思います。自律神経は、この分野に相当影響しているのです。そのためには、この神経を安定させなければなりません。 自律神経を安定させる呼吸法それでは、その方法について述べてみます。これを私は「自律神経安定のための呼吸法」といっています。自律神経失調症の方の心が安定することは、意志層並びに検閲層の緊張がとれて弛緩し、無意識層に働いて行きやすくする為に行うことなのです。ではその方法は何かというと「まぶたを閉じる、まぶたを閉じられるという事は心の安らぎを得る事であり、脳波が落ち着く」ことなのです。それから、鼻から静かに息を吸って口からゆっくり静かに吐く。そして、呼吸に心を集中することです。毎日五分から十分くらい寝る前に続けて戴くと、心が安定して脳波も安定し、低くなってシータ波とかデルタ波になっていきます。シータ波は、波長が4ヘルツから8ヘルツ位であり、10ヘルツ以下になると雑念が除かれ、自然治癒力が強力にはたらいて体力が活性化され、血液もアルカリ性となり、病は快方に進むと言われています。シータ波にまでなると、超能力が発揮できるといわれています。瞑想にも、色々な段階があると思いますが、一般に行われている瞑想を練習してもなかなかデルタ波にもなりにくく、ましてや、シータ波に高めることは更に難しいといわれています。脳波と創造性の開発脳波の種類と心の状態について まず、ヘルツとは一秒間の脳波の振動数を表わした指数です。① ガンマ波は、振動数が30Hz以上で 交感神経が緊張し興奮している状態です。② ベータ波は、振動数が14Hzから29Hzで、活動中とか仕事をしているときに発します。③ アルファ波は、8Hzから13Hzの範囲でリラックスしている状態です。④ シータ波は、4Hzから7Hzであり、深いリラックス時に現われます。 ⑤ デルタ波は、0,4Hzから3Hzの範囲で、熟眠時に現われる状態です。⑥ 0.3Hz以下は無の状態ではないかと考えられています。 以上の六段階に分けられています。 エゴ的(自我)発想を起こしますと、脳波はガンマ波、ベータ波になるといわれていますが、発想の転換をして現在の行動とか考え方を肯定して、心が落ち着いてきますと、すぐにでも10Hz以下になり、感謝の気持ちを続けると6Hz前後になるとかんがえられています。「藤本藥局では、感謝という言葉を口癖のように使うことで、習慣づけの試みをされているという事です」およそ、人間の体は常に酸化還元の働きによって体を養い、成長から老衰までの過程をたどっていると考えられています。酸化が過ぎると過酸化の傾向に走り老化は早まってきます。還元(アルカリ性化)に傾くと、抗酸化されて若返る傾向になります。従って、老化防止には毎晩5分から10分位「自律訓練の呼吸法」を実施していったらよいのではないかと思います。エゴをなるべく少なくして自然と良心に合うような考え方、生き方をすることによって人間愛に満ちた、感謝の気持ちをもった自我没却の心を生じさせたいものですし、お客様に対しても指導できるようになれば素晴らしいと思います。脳波をアルファ波、シータ波、デルタ波にしましょう。 自己暗示による誘導法「自律訓練の呼吸法」をしていきますと、意識層及び検閲層の緊張が緩んで、直接、無意識層の深層心理の分野に情報が入ってきます。最初に記したように、自己暗示とは、半分は自分の耳からその情報が入ります。無意識層に固定させるのです。私は患者さんに限らず、自分に心を安定させて良い言葉を何回もいうことを教えています。 たとえば、「僕は良い子になる、良い子になる」と二、三回繰り返して寝るのです。体が弱ければ健康になるとか、胃が暖まってくるとか、頭がスッキリするとか、繰り返し自分に問い掛けるのです。 これを私は「呪文をかける」といっています。「呪文を教えて上げましょう」といって、寝る前に毎日、毎日三回唱えて寝て下さい、と教えるのです。 人は意識の世界ではなくて無意識の世界におきた事で心が高鳴り踊ることがよくあります。そのような事は数え切れない程我々の生活の中で多発する事ですが、何も楽しい事、嬉しい事だけを思い出しているのではありません。 記憶というものは一度感じたら忘れることはないのだそうです。ですから、無意識層は記憶の宝庫だといわれていますが、実は悪い記憶も中にあるのです。ある回路を刺激すれば様々と甦ってきて不快な思いをするだけならまだ良いのですが、それが原因になり脳波を乱し病になる事も有り得ますし、心を苦しめノイローゼ等のトラブルを起こしてしまうこともあります。従って、無意識層に入り込み染み着いて離れないものを洗いながさなければならないのですが、その事を催眠暗示によって永久に忘れさせる事が出来るのです。自己暗示で例えば「私は今まで苦しかった事、辛かった事は、再び思い出す事が出来ない」と自己暗示を呪文で唱えるのです。 脳波が高ぶっているガンマ波とかベータ波位の段階では、理性の層である検閲層が見張っておりますので忘却できません。普段、考える事は全て意識層に関連してきます。ワンポイントとして軽い飲酒とかリズムは意識層の緊張を解きほぐす材料になるようです。 楽しく健康にいきるために世の中にあるものをうまく活用すれば、人間は楽しく生きる事が出来て、尚且つ健康になれるのです。日常生活の中でどのように考え、人とお付き合いをしていったらそのような心を持つ事ができるのでしょうか。この事は皆さんが店頭でお客様にお話になる材料を御自分で造る練習と考えられて、日常に実行してみる事が大切であろうと思います。それには、1.相手の長所を伸ばすことです。自分も他人も、全て人の短所は目をつぶって、長所を褒める事です。このことが短所を抑えることになるのです。その時脳波は大体十ヘルツ以下のアルファ波になります。 しかし、欠点を指摘されますと、20Hz以上の脳波がでますので、欠点を指摘して改善させようというのは、多くの場合間違いで、長所を伸ばすのが一般には正しい方法であるといえます。自分中心ではなくて、常に相手の気持ちを考えて差し上げる広い気持ちを持つ事が自分を楽しくする秘訣です。2.感謝の心を持つことです。 この気持ちを持てるようになると、脳波はシータ波の六ヘルツ前後になり、深いリラックス時のような気持ちになります。3.信頼です。 これはなかなか難しいことですが、この事は相手の為に誠心、誠意何かをしてあげる事です。感謝の念を持たない人は心が判らない人ですから、相手にせず商売上でも、また個人の上でも近づかない事です。 人の喜びに喜びを無心になる事です。怒ったらあなたの損ですから、私は人に喜ばれる事に喜びを感じるように心がけています。宇宙学では、御法度の心というものがあり、これを脳波計で測ってみたら、全部20Hz以上出ているのです。 その感情は、怒り、不平不満、心配、イライラ、セカセカ、憎しみ等、心穏やかでない気持ちなのです。これが一番寿命を縮めて、病気になる原因なのです。私達の日常の心構えはどうしたら良いのでしょうか。それには三つのポイントがあります。① どんな事でも肯定して感謝し、前向きに発想するクセをつける事。② 常に謙虚に学ぶ習慣をつける事。③ 常に人間性を高める努力をする事。 実行する努力をしましょう。 人間性を高める三つの条件人間性を高める為には、人間が本来持っている特性を高めれば良いのです。① 人間は地球上のあらゆる動植物のDNAを持っていますので、地球上の全てに対して責任があるという事です。ですから、地球上の全てに対して責任を持ち、全てを大切にする事が人間性を高める事になるのです。② 人間は使えば使うだけ良くなる理性的な頭脳を持っているという事を理解しましょう。ですから、本能や感情だけではなくて、理性的に考えて生きれば良いのです。好き嫌いは情動的ですが、変える事の出来る分野ですから、全て好きになろうという理性が働くよう努力していくべきだと思います。そこに「自律訓練の呼吸法」が必要となるのです。③ 人間は、その思いを実現できる地球上で唯一の生命体であるという事を考えてみる必要があります。このような考え方を常に思い、良いプラス発想をすべきです。 この3つを実行していくと、必ず人間性は高まります。人間愛と感謝する心を持ち、自我をなくす、即ち、超自我の心境になるように努力していけば、確実に脳波を低くすることができます。低くなればなるほど創造性が強くなり、直感力が働いて色々な事がわかりやすくなり、思う事が実現出来るようになるのです。 我々の本質は創造主の分身なのです。全ての事知っているのです。今まで記した事を踏まえて、質素に、単純に、暖かく生きた方が幸せを勝ち取ることができるのです。潜在意識と顕在意識が同一方向に行けば、世の中から「あなただけは大切な人だ」と言われるようになります。偏らない心、こだわらない心、あるがままに、なるがまま、自由に生きる暖かい心を持ち、常に人の事を考え毎日を暮らしていくことです。自然に楽しい、美しい、豊かな人生にしましょう。