日本語教師になって
大学を出て以来、いろんな仕事をしたけど、日本語教師の職を選んだことがひとつの分岐点だったな、と思う。日本語教師になったから、中国で仕事ができたし、中国人の夫も見つかった。そして思うのは、日本語教師は技術職、手に職系だということ。中国に来て、日本円も稼げなくなって、でもなんとなく、心安らかに暮らせるのは、いざとなったら、家で小さな日本語教室でも開いて、その辺の中国人に日本語を教えれば、最低限、なんとか食べていける、という心の支えがあるから。「包丁一本、さらしに巻いて」の気分。日本語教師なら、教科書一冊、かばんに入れて、かな。日本で日本語教師は、食べて行きにくい職業のひとつだが、中国では、ぜいたくを言わなければ、職にありつけるし、なんとか生きていける。しかも、日本語を教えるということは、私にとってかなり楽しい、好きな仕事のひとつなのだ。そんなにお金は稼げないけど、食べていける収入がもらえて、楽しく暮らせるならいいじゃないか、という気持ちが心のどこかにある。私はもともと楽観的な性格。もちろんお金はあったほうがいいが、ないならないなりに、幸せに暮らせる自信が、私にはある。仕事のために、日々の幸せ感を失いたくない。・・・これって何よりぜいたくな考え方かも。なーんて思いながら、日々仕事に追われる最近のつばめなのでした。