自己嫌悪
今回の出張前半は、学生募集などの実際業務は行わないのだが、会長に付き添っての挨拶回りだけに、会う人が大学の学長クラスの人や教育委員会関係の人達など、要するにえらい人が多い。うちの会長は接待されるお客様側なので、表面上はくつろいでいるふりをしているが、裏では最大限に気を遣っている。「気遣い」。これは今の私に一番足りないものだ。ここ数日、いろんな場面で気が利かず、失敗ばかり。ただ自分が被害をこうむるだけの失敗ならいいのだが、相手への気遣いができなくては、相手の方に不愉快な思いをさせたり、迷惑をかけたりしてしまう。どこの組織でも、トップにまで上り詰めている人は相手の思いに敏感で、タイミングよく気配りができる。私みたいなのがボーっとしていると、全くお相手にならないのだ。昨日も空港でちょっと大きな失敗をしてしまい、飛行機に搭乗後、自分のふがいなさに不覚にも涙がこぼれてしまった。会長はそんな私に教え諭すように、自分の経験を交えいろんな話を聞かせてくださった。「営業では、自分は0、 全て相手のことを考えて動かなければならない」とおっしゃったのが印象的だった。思えば、私は昔からマイペース、ゴーイングマイウェイと周りの人に言われてきた。学生の頃はそれが悪いこととも思わず、「マイペースで何が悪いのよ」ぐらいに思っていた。けれども、それで周りにずいぶん迷惑をかけてきたと思う。社会人になって、さすがに自分が自己中心的で気が利かないということを実感する機会もあったが、決定的な場面に出くわすことなく、なんとかうまくすり抜けて、ここまで来てしまった。けれども、自分の足りない部分というのは、どんなに逃げようとしても、人生のどこかで再び自分の前に立ちはだかる。それは、自分の人生の中で、克服しなければならないテーマなのだろう。今回はもう、逃げられそうにない。なんとか自分勝手を直し、相手への気遣いができる人間にならなければならない、試練なのだろう。-今まで自分が間違っていた・・・そういう思いがわき上がってくるとともに、今の自分のふがいなさに、夜ベッドに入ってからも、涙があふれて止まらなかった。