おなかに子供がいる実感
今までずっと、おなかに子供がいるという実感が全然なかった。かなり長い間、本当に妊娠しているのかどうかどーも信用できないような気がしていた。だってねえ、ほんのこの間まで何にもなかったものが、ほんのちょっとのことで、命としてこの世に存在するようになるのだろうか。考えれば考えるほど、ほんとに不思議で信じがたい。そうしてひょこっとできた命の元が、あっという間に米粒大になり、くるみ大になり、気がついたら8cmにもなっていると聞くと、さらに不思議さが増す。そんなあるかないか分からないようなものが、ほんのちょっと時間が経っただけで、異常なまでのスピードで増殖していくなんて。普通だったらありえない。目で確認できないだけに、疑いが晴れない。しかし超音波を見ると確実に人間の形みたいになってきているし、数週間で子宮いっぱいに大きくなっている。それに最近、手でおなかを触ると、硬いものに触れる。おへその辺りから下に向かって触っていくと、途中からおなかが硬くなっているのだ。このあたりに子供がいるのかな、と想像できるようになった。ああ、この間まで影も形もなかったものが、生命体として自分の体のなかに存在する不思議。心臓も動いているっていうから、私とは別の生き物なんだ。私が立ったり座ったり、寝返りを打ったりするたびに、おなかの子が、羊水の中で上がったり下がったり、ひっくりかえったりしているのかと思うと、おかしな気分になる。びっくりさせないように、ちょっとゆっくり動いてやろうか、なんて気にもなったりする。今3ヶ月半。あと1ヶ月ぐらいして胎動を感じるようになると、もっと実感が沸くようになるのだろうな。