チビ、1歳1ヶ月
うちのチビちゃん、11月末で1歳1ヶ月になりました。満1歳の誕生日を過ぎたある日、ひとりで立ち上がって1、2歩ヨロヨロと前に足を踏み出しました。ひとり歩きのはじまりです。中国のうちは日本のうちのようにきれいではないので、床に敷いたじゅうたんの上がチビの主な活動場所なのですが、最近しきりに立ち上がっては、母の手を引いて同じ場所をグルグル回りたがります。どうやら歩く練習をしているよう。その練習の成果が実ってか、数日後には、2,3歩が5歩になり、また数日後には8歩になり、今では10歩ぐらいひとりで安定して歩けるように。ヨチヨチと前に進むのを見るたび、かわいくて思わず抱きしめたくなります。そんなチビちゃんですが、まだ長距離を歩くのは無理で、大人が手を引いて歩かせてやっています。そんなある日、義母がチビちゃんに靴を履かせて、「1、2、1(イー、アー、イ)」と声をかけながら歩かせていると、チビちゃんも義母の声に続いて、「イー、アー、イ」と言っているではありませんか。つばめは日本語で「イチ、ニ、イチ、ニ」と掛け声をかけていたのですが、どうやら日本語よりも中国語のほうが発音しやすかったのか、中国語のほうを覚えた模様。義母が「イー、アー、イ」と言うたびにこだまのように同じ言葉を繰り返すのがかわいいです。日本語のほうはというと、今のところ口から出るものはありませんが、かなりの単語が分かるよう。おっぱい、まんま、ミルクなどの単語に加え、本で電話や時計などの言葉を覚えたようで、「電話はどこ?」「時計はどこ?」と聞くと、指差して教えてくれます。他にテレビや冷蔵庫、電気なども指差して教えてやると覚えた模様。本の中に出てくる動物や果物、野菜、コップやスプーンなど日常生活で使うものも分かるようです。単語のみならず、文章も分かるようで、眠くて目をこすりはじめたチビちゃんに、「あっち行ってねんねする?」と言うと、すかさずおじいちゃんおばあちゃんにバイバイして寝室のほうを指差します。だっこして、「どっちに行きたいの?」と聞くと、行きたい方向を指差したり、「ぶどうはどれ?」と聞くと、本のたくさんの果物の写真の中からぶどうを指差したりするので、どこ・どれ・どっちなどの疑問詞も理解している模様。質問されているのだということが分かって答えを指差して教えているのです。「本取って来て」と言うと本を取って来たり、読んでほしい本を持ってきたチビちゃんに、「こっち来て座って」と言うと母のひざの上にちょこんと座ったりします。「(ふたやドアなどを)開けて/閉めて」「入れて/出して」なども理解して言うとおりにしてくれます。日本語も中国語もかなりの言葉を理解し始めているチビちゃんですが、(一つの物を中国語で言っても日本語で言っても分かります)話すほうはまだまだで、口から出る言葉は、さきほどの「イー、アー、イ」の他は「ワンワン」と「ママ」のみ。母の姿が見えなくなると、「マ!ママー!」と大声で叫び始め、母が姿を現すと、一瞬うれしそうに満面の笑みを浮かべた後、泣き顔になり、母を指差して抗議の声を上げ始めます。「キーッ」と金切り声を上げる時も。「ボクをほうってどこに行っていたの!」と怒っているのです。そんなチビちゃん、義父母が中国語で「『ナイナイ(おばあちゃん)』って言ってごらん」と言うと、小さい声で「ママ」と言います。本人はナイナイと言っているつもりなのですが、口から出てくる発音はなぜか「ママ」。おばあちゃんもおじいちゃんも、そしてお父さんもみんな「ママ」。本人も自分の発音が間違っているのが分かるようで、恥ずかしそうな笑みを浮かべながら小さい声で「ママ」と言うのがおかしいです。一人歩きと言葉の理解、どんどん人間らしくなってきた最近のチビちゃんです。