チビ、満2歳7ヶ月 ―日本語、抽象概念を理解―
ここ1,2ヶ月で中国語が飛躍的に伸びたチビちゃん、日本語のほうの進歩は中国語ほど目覚ましくはありませんが、母の口癖の方言を覚え、「水飲んでくるわな」と言って、寝室からリビングへ消えていったり、おやつのナシとリンゴを母にも分けて、と頼むと、「これ、お母さんのな」「これ、リンゴだよ」と方言の語尾やアクセント、語彙の使い方など大学で日本語を専攻した祖父よりずっと自然。チビちゃんにとって日本語も母語ですものね。語尾と言えば、チビちゃんは最近、おもしろい間違いをします。母が、「卵だけ食べんの?」と聞くと、「卵だけ食べん」と返事するのです。その答えを聞いて、つばめは自分が「食べるの?」というところを「食べんの?」と言っていたことに気付きました。それでチビちゃんは、質問の語尾「の」を取って「食べる」の意味で「食べん」と言っていたのです。子供の模倣能力ってすごいですね。そのうち母の発話の中から音便化のルールを習得するとこのような間違いはしなくなると思います。語彙に関しては、「りんご」など一目見ると分かる実物の名詞以外に「事故」「家族」など、抽象概念を含む名詞の意味をしきりに聞いてきます。語彙量が一定以上になると、知ってる言葉で知らない言葉の説明を求めてさらに語彙を増やしていくのだなあ、と感心。車が好きなチビちゃんは、「トラクター」や「田植え機」などという単語を思い出せないと「畑を耕す車は何?」「畑に(苗を)植える車は何?」と質問してきたり、ブロックを手に、「これ、稲刈り機。稲を刈ってる、稲入っていってる稲ここから入る」などと稲刈り機が稲を刈るようすを描写してくれたりします。「稲刈り機」という名詞が、「稲を刈る機械」という意味だと母が説明したのをちゃんと理解していて、「稲」や「刈る」という言葉も単独でちゃんと使えるのです。母が使う言葉の意味がどのぐらい分かっているのかいないのか、初めて聞く単語でもそのまま繰り返してうまく使います。例えば、「お父さん、修理場に車を修理に行ったよ」「うーちゃん、修理場に行ったら?」「遠いから行けないよ」「バス停でバスに乗ったら?」という具合。「修理場」は車を修理するところだと説明したので、たぶん意味は分かっているのでしょうが、親の言ったとおりに繰り返してちゃんと使えているのです。車の名前にとても詳しいチビちゃんは、一緒に散歩に行くと、車の名前を全部言いながら歩くのですが、つばめが知っている車は、「これはホンダ」などと教えてくれ、つばめが知らない車があると、「これは中華っていう車」と「~っていう」を挟んで教えてくれます。自分の意思もかなりはっきり表現できるようになり、「バスに乗って姑姑おばちゃんを迎えに行きたい」などと言ったりします。子供は吸収力があるので、ちょっと難しいかな~、と思っても何度でも繰り返し説明してやればそれをどんどん身に着けていくのだと感じています。つづく。