うすくなった、日本 その2
少し前にUPした日本帰省の感想を書いた「うすくなった、日本」を読んだ方から、「日本は紙おむつも薄いですよ」というコメントをいただきました。そうなのです。パソコンや携帯電話はじめ、紙おむつに至るまで、コンパクト・スリムなデザイン、かつ利便性と高性能を追及しつくした日本製品のすばらしさは、今も世界の認めるところです。しかし、今回つばめが帰省して感じた「うすい・・・」は、そういう利便性や高性能を目指した成果としての薄さではなく、経費節減、資源節約のための「うすさ」。そういう「うすい」ものが増えてきつつある日本の姿を感じました。快適さ、便利さを第一にするのではなく、少々使いにくくても、快適とはいえなくても、限られたお金や資源を大切にし、無駄を省いてエコモードで暮らしていくのが高度成長後の国のあるべき姿なのかもしれません。比して中国。毎年物価がどんどん上昇し、給料も右肩上がりで、国全体も外貨を稼ぎまくってだぶついたお金をどうしようと困っている中国は、いろんな無駄をまき散らしながら毎年8%以上の勢いで高度成長を続けています。ちょっと便利なもの、おいしいものだと日本より高かったりするのですが、それがよく売れていたり、高ければ高いほど売れる数々の贈答品が飛び交っていたり。接待費が使い放題の人もちまたにあふれ、レストランでは食べきれない料理を大盤振る舞いし、会社の領収書を切る人がいっぱい。もともとケチがきらいな国民性のうえに、自分の腹が痛まないとなれば、そうなるのも自明の理でしょう。日本も、高度成長モードの時は、似たようなことがあったのではないでしょうか。より快適に、より便利に、よりよいものを手に入れようと、前を、上を目指して突っ走る中国からエコモードの日本を見ると、高度成長を終え、大人になった国の姿というのはこういうものなのかと妙に感心した今回の日本帰省。中国も将来、高度成長モードを走り切った後は、移行期を経て、エコモードに入るのかどうか知りませんが、あまりに遠すぎて、すぐには実感が湧きません。いずれにしても、故郷日本が、いつまでもたたずまい美しく、中国の未来のお手本になるような国であってほしいと願わずにはいられないつばめなのでした。