「継承語」と「ルーツ言語」
私は、「継承語」というネーミングに大きな異議があるわけではありません。また継承語が指し示す概念と全く異なる概念を提起するものでもありません。中島和子先生が、異言語環境で言語形成期の一部を過ごす子どものことばは母語と外国語に分けることは難しく、むしろ「継承語」と「現地語」という概念でくくる方がぴったりする。つまり、「継承語」とは親から受け継いだことば、「現地語」は子どもの育つ環境で毎日使うことばである。とお書きになった文章を初めて見た時、こんなふうに誰にでも分かりやすい平易な言葉で、新しい考え方の枠組みを示されていることに、大きな感動を覚えました。今回たまたま、プリンストン大学の先生が「継承語話者に代わる」ネーミングを募集されたことから、継承語が指し示す概念に、あえて別のネーミングをつけるとしたら、、、と考えて、ふと頭に思い浮かんだのが「ルーツ言語」でした。継承語を取り巻く様々な状況を考える時、「親から受け継いだ(ぐ)」という点に着目するよりも、「その言葉と血のつながりがある」という点に着目して、「ルーツ言語」というネーミングはどうだろうかと思ったのです。ネーミングの切り口は継承語とは異なりますが、「ルーツ言語」の指し示すものは、継承語が指し示すものとほぼ重なっていると、私は認識しています。ただ、今回、大阪の子供科研の研究成果発表会で日本で生まれ育ち、親の言葉をあまり受け継いでいない子供たちについての話を聞きながら、「こういう場合には、母語よりも、継承語よりも、 ルーツ言語という言葉がぴったりするなぁ!」という素直な感想を持ちました。「話すのにも不自由するような言葉を、母語と呼ぶのはおかしいやん! たいして継承されてない言葉を、 継承語と呼ぶのは、なんかしっくり来えへん!(継承がゼロの場合もあるやんか!)」と、大阪人のつばめは心で叫んでいたわけです(笑)。継承語という言い方をやめるとか取って代わるとかいうことではなく、親から受け継いだ、ということよりも、血のつながりがある点に注目した切り口で考えたほうがすっきりするような場面においては、「ルーツ言語」というネーミングを使うのもよいのではないかな、と思った次第です。(MHBメーリングリスト 2017年3月25日 自分の投稿より)ハンガリー在住の先生よりコメントをいただき、新たな視点を得ることができ、大変勉強になりました。私は研究者でもなんでもありませんので、このような偉い先生方が名を連ねるメーリングリストに投稿するのはなかなか勇気が要ることですが、黙っていても、自分の考えは誰にも伝わらず、消えていくだけです。たとえ間違っていたり、専門家から見れば、箸にも棒にもかからない意見や感想だったとしても、勇気を出して発信すれば、間違いや思い違いをご指摘いただいたり、異なる視点から見たご意見をいただけたり、そこからなんらかの得られるものがあるということを今回実感した次第です。皆様からも、ご意見ご感想等のコメントをいただけましたらうれしく思います。↓ふたり目ちゃん、兄と同じ7週間の小学校準備クラスに申し込みました。6月末に幼稚園を卒園し、7月頭から8月中旬すぎまで毎日ここに通う予定です。夏休みに家で子供を見る人がいないのと、小学校入学前に漢字のピンイン程度はマスターしていたほうがよいとのことで、こちらに通わせます。7週間で6,500元(約10万円)。2年前の兄の時より1,000元も値上がりしてて、お財布が痛いけど、ここだけでなく、どこも似たり寄ったりの値段なので、仕方ありません。ここは今通っている幼稚園と同じく、昔の四合院を改造した校舎で、ふたり目ちゃんは滑り台がお気に入り。IMG_2693 posted by (C)つばめIMG_2704 posted by (C)つばめIMG_2697 posted by (C)つばめIMG_2708 posted by (C)つばめIMG_2699 posted by (C)つばめ↓外国人先生のクラス。IMG_2707 posted by (C)つばめ↓狭いけど裏庭もあります。IMG_2712 posted by (C)つばめ