カテゴリ:中国生活
昨日は「教師の日」でした。
教師の日に先駆けて、我が家は、 チビちゃんが幼稚園でお世話になっている先生に お茶の葉を贈りました。 さて、その贈り物の渡し方。 つばめは夫と共にチビちゃんを幼稚園に送って行ったのですが、 保健担当のL先生にお茶の葉を渡す際、 夫は、「きみは先に外に出てて」と言い、 つばめを幼稚園の外に追い出しました。 「えー、せっかく来たんだから、夫婦で 先生に渡した方が気持ちが伝わるんじゃないの?」 と思ったのですが、つばめは中国の常識が分からないので、 素直に夫の言う通りにすることにしました。 数分後、出てきた夫に、 どうやって先生に贈り物を渡したか聞いてみると、 「L先生は他の人と話していたので、 保健室に入って、机の上に品物を置いてきた。」 という。それを聞いて、つばめ、目が点。 日本人の感覚では、品物は手渡しするのが普通で、 その辺に置いて知らんふりして出てくるということはまずない。 でも、夫曰く、中国ではこっちのほうがむしろ普通らしい。 「で、L先生は?」 と聞くと、 L先生が追いかけて部屋に入ってきたので、夫が、 「何でもないです、ただ、先生にお茶の葉を飲んでもらおうと思って」 とだけ言って、サッサと出てきたのだという。 この話につばめ、再び目が点。 せっかく贈り物をするのに、 「何でもないです」なんて言う? 日本だったら、 「日頃大変お世話になっております。 これはほんの気持ちです。どうぞ」 ぐらい言うのではないか。 夫に、なぜ日頃の感謝の言葉を言わなかったのかと聞くと、 「品物を渡すことですでにそれは伝わるから、あえて言わない」 のだそう。あくまでさりげなく贈る、というのが 中国風の贈物の仕方らしい。 手渡しで、お礼を言いながら渡すと、 逆に恩着せがましく感じられるのかもしれません。 夫によると、中国人は手渡しされると受け取りにくい という感覚を持っているらしいです。 そういえば中国は、「どうぞ」と言われると、 「いらない」と断らなければならないマナーもありますしね。 夫曰く、一番悪いのは、 他の保護者や先生方がいるところで 贈り物を渡すこと。 他の保護者や先生方はL先生が ワイロを受け取ったと思うかもしれないからです。 だから、贈り物の内容もさることながら、 贈る時と場所を見極めることが重要だとのこと。 へー、難しいなぁ。 思えば、日本ではお中元やお歳暮などの贈物の習慣があるけど、 あくまで日頃の感謝の気持ちを伝えるものであって、 それ以上の意味はありません。 でも、中国は違うのです。 贈り物には、「今後よきに計らってください」という ワイロの意味が含まれている場合が多く、 それゆえ、贈る側も贈られる側も、 表沙汰にはしたくないという気持ちなのです。 うちだけでなく、幼稚園の他の保護者達も、みんな多かれ少なかれ、 隠れて先生方につけ届けをしているにちがいありません。 ちなみに、贈り物の内容も、私達の頭を悩ませることのひとつ。 日本だったら、あくまで「感謝の気持ち」を表わすものなので、 内容はそれほど重要ではないかと思うのですが、 中国では贈り物の内容で、相手が自分をどう見ているかということを 推し量るところがあるので、下手な物を贈ると、 「私をこの程度にしか思ってないのか。馬鹿にしてる」 と思われ、その品を贈ったことが逆効果になる場合が あるからです。 かといって、高価すぎるものを贈ると、 次回贈り物をするときにそれ以上の期待をされても困るし、 別に何らかの意図があるんじゃないかと勘ぐられたりする心配もあり、 ややこしいです。 中国に住んでまもなく10年になろうとしていますが、 こういう中国の常識とか考え方というのは、 なかなか身についていないつばめ。 文化の違いと一言でいうけど、 それを本当に理解するのは なかなか難しいことだなぁ、と思うつばめなのでした。 P1120858 posted by (C)つばめ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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