ニーハオ中国

公立幼稚園の見学後すぐ、
園長先生に

「26日までしか日本におらず、
　短期間になるけれども、可能であれば
　こちらに通わせてもらいたい」

とお願いしてみると、大変親身な対応で、
年中クラスは35人枠のところ、
現在園児は30人なので、幼稚園としては対応可能です、
もし入園希望であれば、市役所の学事課に
申し込みしてください、と、
学事課の電話番号まで教えてくれました。

さっそく学事課に電話してみると、
1日でも1か月でも月9000円＋諸費を
払っていただくことになりますが、
それでよろしければお子さんを連れて
申し込みに来てくださいとのことで、
その日の午後に、学事課に出向きました。
係りの人が、チビちゃんに名前など簡単な面接の後、
申し込み用紙に記入し、

「これで申し込みを受け付けましたので、
　いつからでも通っていただいて結構です」

とのお話。
その足で幼稚園に出向き、入園日を相談。
きりよく月曜日から5日間、と思っていたのですが、
園長先生が、

「せっかくなので、明日から来ていただいてもいいですよ」

とのこと。制服やかばん等も貸してくださるとのことで、
見学した翌日から、幼稚園に通わせてもらうことに
なりました。

幼稚園を出た後、大慌てで近所のスーパーに行き、
上靴や上靴入れ、弁当箱、ランチョンマット、
コップ、コップ入れ、手ふきタオル、絵本袋、
子供が肩からかけられるコップ付き水筒などを購入。
嬉々として自分用の物を選ぶわが子を見て、
そういえば中国の幼稚園に通うのに、
全く何も準備する必要がなかったことに
はじめて思い至りました。

毎日朝、昼、夕食付きで弁当なんてものはないし、
お水も幼稚園で飲ませてくれるので、水筒も不要。
コップもタオルも幼稚園で共通のものを準備してくれ、
家で洗う必要もなし。
上靴なんてものはもともとありません。
ぞうきんを準備して、子供に掃除させるということも
中国の幼稚園ではなかったのです。
だから、着替え1セットだけ保護者が袋に入れて持参し、
子供は着のみ着ひとつで幼稚園に行くだけ。
親にしてみればこれ以上ないというぐらい
楽ちんですが、子供にとってはやはり、
自分用の物を持つことで、
物を大切にする気持ちや、
自分のものは自分で持つ、
自分のことは自分でするなど、
人間としての基本が身につくのではないかと
思い至った次第。
そんなことすら、日本の幼稚園の入園準備をするまで、
よくよく考えたことすらなかった親のつばめ。
他の環境を知ってはじめて、
自分の置かれた環境がどういうものかというのが
比較して見えてくるというのは、本当にそうですね。

こうして、バタバタと入園準備をすませ、
チビちゃんは翌日から
近所の公立幼稚園へ通うことになったのでした。

つづく。