こう着状態が続く拉致問題の解決を求めて、北朝鮮に拉致された日本と韓国の被害者の家族が20日夜、東京で合同集会を開き、被害者救出のため日韓両国の国民にいっそうの支援を呼びかけました。
韓国では北朝鮮との境界線近くの海で操業していた人たちなど、これまでに480人あまりが北朝鮮に拉致されたと政府が認定していますが、北朝鮮はこれを認めておらず、消息もわかっていません。集会では、はじめに日本の家族会代表の横田滋さんが「家族の気持は国を問わず同じですが、韓国では世論の支持が低いと聞きます。被害者救出のため、日韓の家族が手を携えていく必要がある」とあいさつしました。続いて韓国の家族会代表で、38年前に父親が拉致されたというチェ・ソンヨンさんが「韓国政府は救出すべき被害者がいると知りながら努力を怠っている。私の母はことし8月、父の安否すら確認できないまま亡くなった。韓国国内の関心が日本の10分の1でもあってほしい」と話しました。また、韓国の別の家族会の会長で、18年前に父親が拉致されたというチェ・ウヨンさんは「父が拉致された時、私は高校生で弟は小学生でした。一番必要だった時に父を奪われました。日本の皆さんは韓国人の被害者救出にも力を貸して下さい」と訴えました。さらに横田早紀江さんは「一生懸命活動していけば、しだいに前進していくと実感しています。私たちも頑張りますので希望を捨てないで下さい」と韓国の家族に呼びかけました。日本の被害者家族は今月24日からアメリカを訪れ、北朝鮮の人権問題を担当する大統領特使とも面会し事態打開への協力を求めることにしています。
報道の自由度、北朝鮮が4年連続最下位