連休中もずーっと部活のある高校生の娘。
今日だけひさーしぶりにお休み。買い物に行きたいと言うので、二人で出かける。
お目当ては、今風のおしゃれなサンダルらしい。　ところが、靴売り場であれこれ見ているものの、いっこうに履いてみようとしないで、ため息をついている。
「気に入ったのあったらはいてみなくちゃわかんないじゃん」と横から言うと、
「だっておかち、これがあたしの足に入ると思う？」

うちは子どもが二人ともお父さん似のばんびろ甲高のしっかりした足だ。流行のおしゃれサンダルはみんなスーッと細くて、甲のあたりがキラキラした組み紐状になっていたりして、確かに娘の足の形とは全く違う。
「でも、履いてみないことには迷う意味もないじゃん」という私の言葉に押されて、娘、おもむろにＬサイズに足を入れてみる。ひもを横に広げたり、ぐりぐりとすべらせたりするけれど、無理。寄ってきた店員さんに「これより大きいサイズはないですか？」と聞いてみると、あるのもあるけど、取り寄せですとのこと。

娘、またうろうろと見て回って、今度はちょっと期待を持って、ＬＬサイズを見つけて足を入れている。ちょっと遠巻きに見ていたら、また悲しそうにそのサンダルを戻している。娘が戻したその靴の、Ｍサイズを後から来たお姉さんがスルリと履いて、「これかわいい！」と連れに言っている。
かわいそうになあ。もう少し今風に産んであげればよかったんだけど、決して太っているわけではないけれど、足も体もしっかりと大地に根ざした感じだ。

もう少しスポーティーな感じのサンダルなら、娘の足でも入りそうなデザインのものもあるんだけど、乙女心としてはあのスッとしたサンダルを履きたいらしい。
結局「今日はいいや。」とあきらめて、他の買い物をして帰った。
いつか、「しっかりどっしり安産型」が流行の最先端になる時代が来ないかしら。