楽書き」「電園地帯」……子どもの苦手な漢字くっきり
落書きを「楽書き」、人に仕えるを「使える」――。文部科学省所管の財団法人「総合初等教育研究所」(岐阜県)は27日、小学校で学ぶ漢字がどれだけ身についているかの全国調査結果を公表した。全学年を平均した正答率は、読みが89%で、書きは72%。ただ、学年が進むにつれて習得状況が低下する傾向が示され、小6で学ぶ漢字では正答率が80%に達した字は全体のわずか16%だった。同研究所は「学校は、児童一人ひとりの漢字学習の状況を次の学年にきちんと引き継ぐなどの工夫が必要だ」と提言した。 調査は03年の5~6月に実施。全国の53校の約1万5000人の子どもを対象に、小学校で学ぶ1006の漢字すべてについて各学年ごとに身につけたかどうかを調べた。同研究所は80年にも同様の調査を行っている。80年調査と正答率を比較すると、読みは1ポイント増、書きは5ポイント増だった。学ぶ漢字数に大きな変化はなく、全体としては漢字の読み書きの力は落ちていない。 正答率が80%に達した字が全体のどれだけあったかを調べると、読みでは、小2を調査対象とする1年で学んだ漢字(1年字)は89%で、中1を調査対象とした6年字は77%。書きでは1年字が92%で、6年字になると16%までダウン。読み・書きとも学習する字の数が増える2年字(160字)から3年字(200字)の間で大きく低下した。 間違いを類型化すると、読みでは音訓の取り違えが各学年とも2割前後にのぼった。例えば、4年字の「米作農家」を「こめ作」と読んだ子どもが74%いた。 また、書きでは音が同じ字を誤用するケースが目立ち、特に高学年で3割近くに達した。3年字の「すずしい木かげ」を37%が「小かげ」と書いたケースなどがあった。全学年を通じて、点の位置や「はね」など、字形をあいまいに覚えている傾向が強く、誤答の2~3割を占めた。 ほかに、「楽(落)書き」(33%)、「電(田)園地帯」(34%)、「積乱運(雲)」(29%)などの珍回答もあった。28日00時51分 livedoorニュースより