女が、手首に環い腕輪をはめていた。
金属で出来た硬いもののようであった。
肘から先を上に曲げた拍子に、
腕輪が手首から下にずりさがった。
しかし、手首の少しばかり下方に引っかかったまま、
腕との間に土星のように隙間を残したまま
それより先には落ちようとしない。
何事かと思って仔細に見てみると
女の手首は丸くないのであった。
骨に少しの肉を巻き付けてから皮でくるんだように
女の手首は楕円なのであった。
その断面図を思い描きながら腕輪の隙間を見ていると
子どもではなくなったその女にどこからか同情が湧いてきた。
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Last updated
2009/06/28 12:08:54 AM
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