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拝啓
あなたの都合に合わせて私を 大人扱いしたり子供扱いしたりするのはやめてください。 私の人格や精神は、そんなに器用にできていません。 あなたのためにだけあるものではありません。 完璧に、私のものです。 あなたは私にとって恋人であると同時に my old manとも呼べる頼もしい存在でした。 それは、あなたが堂々としていたからだと思います。 しかし今では、かつての批判が愚痴に変わり、 自発的な好奇心が外部から与えられた義務感になり、 進む道ではなく、ただ生き延びるための道を探しているように映ります。 あなた自身の苦労や心痛、悩みや疲れといったものは、 はっきり言って他人には知り得ない領域のものです。 あなたが分かってほしくても、私が分かってやりたくても。 それなのに辺りに負を漂わせつづけるあなたは、 身近な人の心を気にかける余裕を、今、かなり失っています。 マジョリティの文化がのきなみ均一化されたことについては 私も快くありません。その点については賛同します。 たとえば、レコード探しの海外旅行がレコード店巡りになり、 1軒の大レコード屋が広い地域で幅を利かせるようになり、 そこに足を運ぶこともなく通販でモノが買えるようになり、 さらにはモノという形もなくダウンロードが広まり、 ただ音楽が消費物と化してしまったことは私も残念に思います。 音楽をライフスタイルの軸のひとつに据えるような青臭い人間も、 誰かにライフスタイルとして支持されるようなクールな音楽も、 単純に減ってきたと感じています。 あるいは、私も存分にこのファスト・マーケットに洗脳されて 未知のものを探す手間を無意識に省いたり、 何かにぞっこんになることを面倒がっているのかもしれません。 あなたが売っているのは音楽ですが、 人生のスタイルや人間の歴史を伝えるのが目的である筈です。 少なくとも、出会った頃のあなたからはそんな匂いがしました。 若輩者の差し出がましさは百も承知ですが、初心に立ち返ってください。 やってしまった過去の出来事に責任を押し付けるのではなく、 絶え間ないスリルの渦中に自ら身を置き続けるあなたでいてください。 時間は過ぎていきます。人は老いていきます。世界は変わっていきます。 どんなに嘆こうとも嘲ろうとも、あなたや私やその他の誰も、 時間にだけは抗えません。 それでも、世界の変わり方、あるいは変わらない世界について あなたができることは或る筈です。 思うにそれは、あなたが心優しくも我がままな人間であり続けることです。 隣人たちを思いやることと、隣人たちを勝手に負担と感じることは異なります。 他人の人生について必要以上に考え、背負おうとすることは はっきり言って迷惑で、無駄で、おこがましいことです。 他人に向ける関心を、自分や自分の好きなものにスイッチしてください。 そろそろ、何度目かの思春期から抜け出してください。 あなたが今、こんなに抱えているんだよと訴えて大変さを見せびらかしているのは その行為自体が何かしらの時間稼ぎであるようにしか見えません。 そして時間はさらに過ぎていき、あなたはさらに追い詰められるでしょう。 巡り巡ってあなたは、自分で自分を追い詰めているようにしか見えません。 死ぬほど愛している事柄を仕事に出来ている人は 1000人にひとりいるかどうかも分かりません。 仕事をするうちにそれに愛情を持つようになった人は それこそ沢山いるでしょうが、あなたは違います。 生き方に関わる重要なメッセージを形にし、 自分の責任でもって他人に届けようとしている人は 私の知る限りで3人しかいません。あなたを含め。 社会に対して何か不満や言いたいことがあっても、 便利な世の中ですから、ちかごろはブログで事足ります。 私だってそのひとりです。 それ以外の人たちは、井戸端会議や酒の席で発散するのでしょう。 あるいは形にしようともがいても、どこにも届かないのかもしれません。 その点、あなたは違います。少なくとも今までやってきました。 もう、形は問いません。 今までやってきたことにとらわれず、 ただただ我がままで奔放で、毎度毎度ぶつかって、 その度に困窮して、それでも自由で身勝手でありなおしてください。 最後の最後にもうだめだというところまで弱ったら、私がそばに行きます。 このまま愚痴ばかり吐いて弱っていくあなたを、私は受け付けません。 子供のように我がままで、からからと笑いながら、怒りながら、 懲りずにやりたいことをやって弱ったあなたなら、私は待っています。 my old manでいてください。 my old flameにならないよう、 自分の人生を謳歌してください。 草々 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/07/01 01:04:03 AM
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