似合う色、というのがある。
取り立てて好きではなかった色も、
何かの拍子で身に付けてみると案外肌に映りがよくて
それで気に入ってしまったりする。
現金なもので。
好きな色と似合う色とは、決してイコールではない。
それに、色は名前をつけきれないほど沢山ある。
名前のついている色のほうが少ないんじゃないだろうか。
RGBいくら、とかで誰かが指定したとしても、
繊維の種類や糸の太さ、生地の織り方、
紙の凹凸、厚み、画面の具合によって変わってしまう。
そもそもが、自分の目と他人の目に同じに見えているかも怪しいのだ。
色とは不安定なもの。
好きな色が似合わなくても、
似合わない自分に非は無いのだ。
鮮やかな青ならば大抵が似合うと自負するほどであっても、
ほんの少し、本当に僅かな色合いのニュアンスによって
まったく似合わない色になったりする。
その逆に、敬遠していたピンク色であっても
ほんの少し、本当に僅かな色合いのニュアンスによって
びっくりするほど似合う色になったりする。
そして、どんな色であっても
日によって、季節によって、時間や天気によって、
あるいは体調や心持ちや会う相手によって、
ころりと似合うようになったり、似合わなくなったりする。
食わず嫌いでいるのは勿体ないことだ。
なんだって試してみればいいだけのことだ。
似合う似合わないはそれから決めればいいのだ。
好きな色が似合わなくても落ち込む必要は無いし、
似合っていたと思う色が似合わなくなっても仕方ないこと。
恐る恐る、あるいは嫌々試してみた色が似合えば、
それは願ってもいない儲け物としてちゃっかり受け入れれば良い。
何かが似合わなくなるということは、
また別の何かが似合うようになったということである。
だから、何かの色に自分を合わせようとはしないでほしい。
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Last updated
2009/07/15 02:46:13 AM
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