会えないのが寂しくない恋人なんていない。
声だけでもいいから聞かせてもらって安心していたいし、
普段はできるだけ思い出さないようにしたいし、
ひとりで思い出すときは大切に小さなかけらずつ思い出すし。
私はどうなるんだろうな、とひとりごちてみる。
なんとなく、ずっとひとりでも私は構わない気がする。
私は今になって、とても自分の名前を気に入っている。
この名前がある限り、私は絶望的に孤独にはならない。
絶望的に寂しいというわけじゃなくても、
そこまでいかなくてもたまにくるこういう夜だ。
たまらなく恋しくなって涙を流している。
とめどなく派手に、はてしなく静かに泣いている。
今日は曇っていて、風が強くて、夕焼けは綺麗で、
夜も涼しくて、そして庭のオリーブに実がなった。
鳩が運んできたオリーブの枝が新しい世界の印だったみたいに
私も何か印が欲しいと思うよ。
オリーブの枝をくわえた鳩が
私の煙草の箱に描かれているのは
なんだか皮肉な気がしてくるよ。
それとも私はただ「泣く」をしたかっただけなのかもしれない。
おやすみなさい。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/07/16 01:42:08 AM
コメント(0)
|
コメントを書く