夜も更けてから風が強い。
どうどうと音が走って行く。
2階にある私の部屋の窓の前まで育った
背の高いブルーバードの木の枝が、
窓ガラスにごん、ごんとぶつかる。
まるでノックの音みたいである。
これがノックの音で、
カーテンの向こうに恋人がいたら、
それはそれで嬉しいけど
怖さのほうが勝るな、と考え始めた私は
すっかり「恋」を終えているのだろうか。
まるで怪談「猿の手」だもの。
風にかぶせて犬が鳴く。
あんな風に遠吠えをするのは
きっと気分がせいせいするだろうなと
よその家の犬の姿がありありと浮かぶのである。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/01/05 12:22:32 AM
コメント(0)
|
コメントを書く