23になって、ひとりだちをした矢先に会社が不況の風をくらい、
年の瀬に仕事を失ってひとまず年末年始の帰省をしている弟。
わたしなんかよりもずっとアクティブにいろいろ遊び回っている。
どっちが失業者だかわかんないくらいだ。
それはさておき。
弟は、部屋が真っ暗だと眠れない。
私は、真っ暗じゃないと眠れない。
小さい頃はふたりで1つの部屋だったので、
いざ眠るというときに小競り合いになったものだ。
消す、消さない、で。
帰省中の弟はもう、もちろんひとりの部屋で眠る。
遊び疲れたのか、それともまだ怖いのか、
ドアの隙間から明かりがもれている。
それも、こうこうと。
宵っ張りの私は寝息を確かめてから、
そおっと扉を薄く開けて手だけ入れて、
明かりをぱちっと落とすのだ。
それから、
暗くなった部屋でも彼の眠りが変わらないことを
2秒くらい静かに確認する。
おやすみ。
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