生きたまま
生きたまま焼かれるのは、とても恐ろしいことだった。夢を見るたびに訪れる、というかあたしが第2の生活を送っている夢の町で、あたしはタイムスリップをした。もともと、この町には他の町とのつながりが無い。交流、というより、そもそも道が。その訳の一端が、この町の歴史にあるようだ。タイムスリップしたあたしは、その只中に居た。ひとつの広場に集められた町の人間は、同じ言葉を話す者たちに、生きたまま、焼かれた。あたしも、そこにいた。あたしの隣に居たおばさんが、たまたま広場の外に居た子供たちに、「あんたたちは逃げな」って叫んでいた。その子供たちとおばさんに、血の繋がりが無いことを知っている。それでも子供たちを助けようとする、そんな町だったことも。あたしの前々列の男性が焼けていく。広場を埋め尽くし、巻き上がる声は地鳴りのように低い音。そこで目が覚めた。あたしの隣に居たおばさんは、現在、海辺の通りの焼き鳥屋さんのおばさんにそっくりだ。何か聞こうとしても、いつもはぐらかされるけれど。