____Les Petits Princes____

この日、第一王子の皆勤が途絶えました。

小学校5年目にして、初めての欠席。

病気にならず、怪我もせず、

昨年あんなに猛威をふるった新型インフルエンザにも

よけてもらったぐらいなのに、

今日、初めて学校を休みました。

理由は、サッカーの試合。

都大会進出がかかった大事な試合でした。

チームの監督は、それぞれの家庭の判断に任せると言ってくれましたが、

私にも、息子にも、難しい選択でした。

休めと命令してくれた方が、どれだけ楽だったか…。

王子にとっても、皆勤にはこだわりを持っていたはず。

学校を休んで海外旅行に行こうという誘いにも

ずっと乗らなかったぐらいですから。

どちらにせよ、これから何度も迎える人生の分かれ道、

選択は自分でしなければならないのですから、

私は口出しするのは止めようと心に決めました。

内心は悶々としてましたが…。

チームのみんなにとって、息子にとって、

試合に勝って都大会に行けるのは喜ばしいこと。

でももし健康で休むことなく小学校時代を過ごさせることが出来たなら、

それは私にとってのご褒美、誇れることでもあるからです。

どこかで、学校を選んでくれたらいいのに、とか

いい抜け道はないものか、と考えたりもしてしまいました。

結局、王子は試合を選ぶと告げ、朝から出かけて行きましたが、

はたしてどんな心持ちだったのか…。

死ぬ気で頑張らなければ母がただではおかないぞ、

という重圧を背負ってか、

お世辞にもいい動きをしていたとは言い難い息子でしたが、

準決勝で貴重な1点を決めて1-0で勝ち、

無事に都大会出場権を得ました。

他の誰かじゃなく、息子が入れた、

私の心にも残る1点だったと思います。

決勝では0-4で負けてしまい、準優勝だったんですけどね。

一日が終わって、諦めがつきました（笑）

これで、いいのだ…と

（決してバカボンのパパ風にではなく…）

静かに幻のお部屋のドアを閉めた気分です。

皆勤賞という幻のお部屋、

そんな小さなことにこだわって、と笑われるかもしれませんが、

私と王子にはとても大事なことだったんですよ。