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悠久の唄 ~うたの聴けるブログ~

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2005年11月03日
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   30. 戸板女子短期大学合コン


 皆でフロアに下りて、再びテーブルに戻って来た時、チーク・タイムになった。
淳一は「理恵」と言う名の娘と初めから意気投合していて、其の娘と一緒にフロアへ引き返した。
ヒロ子は「フルーツを貰って来る。」と云い、もう1人の女性を連れてカウンターの方へ行った。
私と世樹子は2人限で坐っていた。
「鉄兵君も、チーク踊りたいんじゃないの? 
視なかった事にして挙げるから、踊って好いわよ。」
「そうかい? 
じゃあ、踊ろうかな…。」
私は立ち上がった。
そして、世樹子の手を取って云った。
「さあ、二人が戻って来ない内に、フロアへ行こう。」
「え…?」
世樹子は少し愕いた表情をした。
「踊っても好いって、今、云った筈だぜ。」
私と世樹子は、暗いフロアへと下りて行った。

 「ヒロ子と踊りたかったんじゃないの…?」
世樹子は小さな声で云った。
「別に…。
君と踊りたいと思ってた。」
「本当…?」
「今日は、香織ちゃんに悪いって云わないのかい?」
「…悪いと思ってるわ。」
「フロアに立ったら、外の事はみんな忘れてしまわなきゃ、ディスコに来た意味なんて無いぜ。」
「忘れて…? 
そうね…。
そうする…。
でも、又外へ出たら、此処での事はみんな忘れるわ…。」
そう云って、世樹子は私の胸に顔を埋めた。

 合コンにもシーズンと言うものが有った。
其れは年に2回有り、1つは夏休み前の6月から7月半ば迄で、もう1つは学祭前の9月半ばから10月迄であった。
其の理由は、夏休みを供に過ごす彼女の調達と、女子大の学祭へ行く為のコネを作る事に有った。
「合コン愛好会」では、合コンで彼女を捜す事を禁じており、夏休み前の合コン・シーズンは関係無かったが、学祭前の其れには見事に巻き込まれた。
前期は、週に1度と言うペースを忠実に守った我々であったが、後期に入って暫くすると、1週間に2回以上と言うのが当たり前になっていた。

 9月29日、野口が幹事を務める戸板女子短期大学との合コンが、渋谷で行われた。
いつもの様に「乾杯・一気」で、コンパは始まった。
我々は合コンのやり過ぎで、身分不相応に女子大生に目が肥えていた。
又、合コンの席で、緊張感と言うものを全く感じ無くなっていた。
間違っても、自己紹介等は決してやらなかった。
女の方から名前を告げる迄は、適当に仇名を付けて相手を呼んだ。
私の右隣には、紺のブレザーを着た女性が坐っていた。
私は彼女を「麗子ちゃん」と呼んだ。
同名の女優に似ていると思ったからであった。

 其の夜のコンパは、大荒れに荒れた。
「鉄兵、一寸来て呉れ…。」
と、トイレから戻った淳一が私を呼んだのが、そもそもの始まりであった。
「何だい…?」
私は「麗子ちゃん」に「トイレへ行って来る。」と告げ、座敷を下りた。
淳一は私をカウンターの前迄、引っ張って行った。
「あの娘達なんだが…。」
淳一は、店の中程のテーブルを示した。
其のテーブルには、数人の女子大生風の女が居た。
眺めていると、其の中の一人が私の視線に気付き、小さく手を振った。
「何だ、脈が有るじゃないか。」
私は云った。
「そうなんだ…。
でも、どうする…?」
「女の子にサインを送られて、無視する様な奴は男じゃない。」
我々は其のテーブルへ歩いて行った。
「貴方達、奥で楽しそうに、何やってるの?」
私に手を振った女が云った。
5人の女が我々を視詰めた。
手前の2人が横へ動いてスペースを作って呉れたので、私と淳一は其処へ坐りながら云った。
「唯の合コンさ。」
「合コンなの? 
じゃ、あの女の子達には、今夜初めて逢ったの?」
「そうだよ。」
「だけど、凄く好いムードじゃない? 
一緒のサークルか何かかと思ったわ…。」
「合コンて、あんなに盛り上がるものなの?」
「さあ…? 
他の連中がどんな合コンやってるのか、よく知らないから。」
「私達も何回かしたけど、全然つまんなかったわ…。」
其処へ西沢がニヤニヤ笑いながら遣って来た。
「こんな処で油を売ってちゃ、駄目だぜ。」
そう云って彼は、女と女の間に腰掛けた。
「私達とも是非、合コンをして貰えないかしら?」
「御願いするわ…。」
「好いよ。
勿体無い誘いだ…。」
淳一と西沢と私は、眼で会話をした。
我々の合コンの予定は、既に10月の終わり迄詰まっていた。
「一寸みんなに都合を訊いてみる。」
と云って、我々はテーブルを離れた。
カウンターの側迄来て、私は云った。
「矢っ張り、スケジュールがきついかな…?」
唯、テーブルの彼女達の容姿は捨て難かった。
「10月の第3週が、4日間空いてるぜ。」
西沢が手帳を見ながら云った。
「よし、其処へ入れよう。」
我々はテーブルへ引き返した。
「10月12日辺りでは、どう?」
「私達は、いつでも構わないわ。」
我々は其のテーブルで酒を注文し、更に彼女達と会話を続けた。
彼女等は、共立女子大の学生だと云った。
いつの間にか、柴山が同じテーブルに坐っていた。
其のテーブルは、既に合コンの様相を呈していた。
「奥に居る女の子達、怒ってるんじゃなくて…?」
そう云われて、我々は座敷に野口一人しか残っていない事に気が付いた。

 座敷へ戻ると、戸板の女達は少なからずムッとした様子だった。
「御免、御免。
知り合いに逢っちゃってさ…。」
「酷いわ…。
長い時間放って置くなんて。」
「そんな事云わないで、麗子ちゃん…。
さあ、愉しく呑もうぜ。」
「私、麗子じゃないわ。
真由美よ。」
「…真由美ちゃん。
グラスを持って呉れよ…。
もう一度乾杯しよう。」
「早く帰って来て呉れないから、私もう酔っちゃったわよ…。」
本当に彼女は、既に酔っている様だった。

 当時我々は、合コン等と言うものは洒落たパブなんかでやるよりも、安い居酒屋の座敷でやるのが一番であると言う見解を持っていた。
身体は疲れないし、何より大いに乱れる事が出来た。
戸板の女達は、殆どの者がベロベロになっていた。
そして、男性軍に盛んに「もっと呑め。」と強要した。
我々は女性軍に追い付く為に一気を繰り返した。
私も次第に、把握出来る視界が狭くなって行った。

 「麗子ちゃん…。」
「真・由・美。」
私の頭は真由美の膝の上に在った。
「真由美ちゃん…、ジェラシーを感じた事が…、有るかい…?」
「有るわよ…。」
「ジェラシーってさ…、人間の感情の中で…、最も高尚なものだと…、思うんだ…。」
「ふうん…、そうね…。」
「そうさ…、ジェラシーは…、一番高等な…、感情なんだ…。
あの…、甘く…、やる瀬ない…、ジェラシー…。」
天井と壁が廻っていた。
全員、ドロドロになっていた。
隣で、淳一が女と濃厚なキスをしていた。
淳一の右手は、女の胸に触れていた。
「酒を、もう一杯呉れないか…。」
「はい…。」
真由美からグラスを受け取ると、私は膝枕をした儘一気に水割を呑み干した。
「はい、ダメ押し…。」
手を伸ばして空いたグラスにウィスキーを注ぐと、真由美は再び私にグラスを手渡した。
オン・ザ・ロックを呑み干して、私は少しむせた。
「大丈夫…?」
「ああ…、平気だ…。」

 「真由美…、ちゃん…。」
「何…?」
相変わらず、私は彼女の膝の上で寝ていた。
「君の顔が…、はっきり視えなくなって…、来ちゃった…。
もっと…、側で…、視せて…。」
「こう…?」
彼女は顔を近付けた。
「もっと…。」
「こう…?」
私と彼女は、お互いの唇を重ねた。
彼女は舌を入れて来た。
私はゆっくり身体を起こしながら、彼女の背中を壁に縋らせた。
そして彼女の顎に手を添えて、口付けを続けた。
やがて指先を喉から胸元へ下して行き、花柄のブラウスのボタンを一つ外すと、其処から衣の内側に手を滑り込ませて、下着の上から乳房を揉みしだいた。
彼女が微かに呻いた。
次に私は、手を一度首筋に戻してから彼女の大腿部に触れた。
ザラザラしたストッキングの感触が有った。
彼女は全く抵抗を示さなかった。
私の掌はスカートを押し上げ、温かい大腿部を少しずつ上へ上って行った。
私の指先が股間に到達した時、彼女は其の太腿を微かに開かせた。
表面はザラザラの繊維の感触に変わりなかったが、私の指ははっきりと、硬い骨と、其の下の最も温かく最も柔らかい部分を感知していた。


                        〈三〇、戸板女子短期大学合コン〉






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Last updated  2007年02月25日 13時14分56秒
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