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徒然まちづくりコラム

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2011/05/31
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カテゴリ:まちづくりな話

山崎亮さんが待望の書を書き下ろしました。

「コミュニティデザイン-人がつながるしくみをつくる-」が本の名前ですが、「はじめに」で彼はこう書いています。

「この50年間にこの国の無縁社会化はどんどん進んでいる。これはもう、住宅の配置計画で解決できる問題ではない。住宅や公園の物理的なデザインを刷新すれば済むという類の問題ではなくなっている。僕の興味が建築やランドスケープのデザインからコミュニティ、つまり人のつながりのデザインへと移っていったのは、こんな問題意識があったからだ。もちろん、ある日突然こうした問題意識に目覚めたわけではない。建築やランドスケープのデザインに携わりながら、「それだけでは解決できない何か」が少しづつ見えてきて、それが僕の頭の中で無視できない大きさにまで膨らんできたのである。」

今からおよそ18年前にサラリーマンプランナーから足を洗って1人で生きていく覚悟をした僕の動機も、実は全く同じ問題意識が根底にありました。良いデザインや良い計画書だけでは解決できない何かが街や地域には厳然とある。その時、それを解決する方法論を持っていたわけではありませんでしたが、とにかく自由になりたかった。

独立後は決して順風満帆ではありませんでしたが、2000年から関わってきたコーポラティブ住宅建設プロジェクトへの参画が大きな転機となりました。このプロジェクトを通じて学んだのが、まさに「人がつながるしくみ」の重要性でした。

以来、僕の仕事はどちらかというとプランニングやデザインをベースにしつつも、自分にない能力を持つ専門家とのコラボレーションや、地域住民の自主性や創意工夫を促す機会と場づくりにシフトしていっているように思われます。

山崎さんとは実は、5年前ぐらいに会っています。夢見隊2号プロジェクト「ヴィレッジ浄瑠璃6」の参加者と、長池公園自然館の会議室でワークショップを行っているときでした。「失礼します」と突然現れた彼の精悍でありながら柔和な表情がとても印象に残っています。

そんな彼が書いた「コミュニティデザイン」には、彼が過去10年の間に関わった多くのプロジェクトが紹介されていますが、それぞれのプロジェクトを通じて彼がめざした「人がつながるしくみ=コミュニティデザイン」が臨場感を持って読むものの胸に染み込んできます。

地域住民を一般化して扱ってきたのがこれまでの都市計画だとすれば、一人一人異なる人間、地域に目を向けた実戦的なまちづくりに取り組む山崎さんは、間違いなくこれからのオルタナティブなまちづくりの形とその重要性を僕たちに訴えているように思われます。






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最終更新日  2011/05/31 09:00:44 AM
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