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心のおもむくままに

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夢野華

夢野華

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2005/02/16
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カテゴリ:POEM
彼は貧しかった。
「ひまわり」の絵も麻布、穀物などを入れるために使う
麻袋の布地に描くしかなかった。
フランスのアルルにいた頃、
真っ白なキャンパスに絵筆をはしらせるなんて、
夢のまた夢だった。

「ひまわり」は美しくない。
夏の太陽の下で見るヒマワリの花は生命力にあふれて、
どれも生き生きとしている。
けれど、絵のなかの「ひまわり」は、
花瓶に飾られ、生気がない。

目の前の花を、あるがままに描く。
まるで絵の中に自分自身を投影させるように、

日本という、まだ見ぬ異国の地を夢みながら。
ごつごつとした麻布の上に、
何度も何度も、絵の具を塗り重ねる
彼の姿が瞼に浮かんでくる。

彼の絵の「夜のカフェテラス」。
この絵は9月に描かれていて、
人々は昼間の暑さで疲れた体を、このカフェで憩い、
癒していたのかも知れない。
お店から、こぼれてくる温かな柔らかい光と、
夜空に瞬く星の光とが、
心和ませる不思議な雰囲気をたたえている。
「ひまわり」が描かれた時期と同じだけれど
どこか遥か遠くの世界を夢見た星空が美しい。

「夜のカフェテラス」のポスターは、まだ壁に貼っていない。
ポスターと言えども額縁が必要だと考えているので、
いつまでも飾れぬまま大切に部屋の隅にある。

彼の生活を支え続けていたのは弟のテオで
兄が亡くなった、翌年、
テオも運命を共にするように亡くなってしまった。
そして魂を塗りこめるように描かれた絵だけが残された。





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Last updated  2005/02/16 09:31:16 PM
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