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カテゴリ:ありのままの自分で
いろんな本には立派なことが書いてあるけど、肌で教えてもらっていることにある時気づいた。
それは、「おばあちゃんの卒寿の祝いに電報を送ってくれ」と、親父に言われ、おばあちゃんとの思い出にふけっているときだった。 「おばあちゃんへの手紙」 おばあちゃん,この度は卒寿おめでとうございます。 私の子供の頃,よく友達に 「おめえんとこのおばあちゃんって、きれいだよなー。 なんか他とちがうよなー。」 って、よく言われたものです。 子供達でもおばあちゃんの品性と知性をなんとなく感じたんでしょうね。 俺は「そうだべ、そうだべ。」って鼻たかだかで、子供の頃からずっと自慢のおばあちゃんでした。 よく、おばあちゃんの昔の話、好きで聞いてたけど、一度だけ、満州から引き上げてくる時のことを詳しく、質問しながら聞いた事があったのを憶えてますか? 満州から日本への経路はまるで昨日の事のように生々しく話してくれましたが、道中、周りの人達が子供を置いて逃げる中、おばあちゃんだけがどうやって子供達をつれて逃げてきたのか,そのさなか、おばあちゃんは何を見て、どんな体験したのか、この部分についてだけは、おばあちゃんが黙ってしまったのを忘れられません。 言葉には出せない、思い出したくも無い地獄をなめてきたんでしょうね。 想像を絶する極限状態の中、子供への愛をおばあちゃんだけは手放さなかった。 それを思うと,すごく感動してしまいます。 日本に戻っても、何も無く、本家の馬屋からのスタート。慣れない商売と六人もの子育てで、日々くたくただったことでしょう。悔しい思いや嫌な事、辛い事ばっかりだったでしょうね。 きっと、父さんたちの成長が唯一のはげみだったんだろうね。 でも、月日は流れて、(天国のおじいちゃんと)おばあちゃんのおかげで十四人の孫と八人の曾孫が生まれ,十二もの新しい家庭が生まれ、それぞれの人生が営まれている。まだまだ増えるよ。本当にすごいことだね。 人生の意味、実りってこういうことなんだなーと初めて考えさせられました。 おばあちゃんの歩んできた道を想うと、自分の悩みや壁が、いかに小さいことか、よくわかります。 また、おばあちゃんの歩んだ歴史を忘れちゃいけないと強く思うし、子供達にも伝えていこうと思います。人間の誇りと愛と強い信念を伝える為に。 おばあちゃんはよく 「じゅうぶん長生きしたからもういい。」 って、いうけど、 そう言いながらも、おじいちゃんの分も長く私達をこの世で見守ってくれて、ありがとう!すごくうれしいです。 世界で一番尊敬するおばあちゃんが一日も長く元気でいてくれるのは、私たちの何よりのはげみです。 これからもずっとお元気で。 平成十六年九月二十五日 父、○○の子供と孫を代表して、 ○○ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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