きょうの私は、どうかしている 越智月子著
「おち・つきこ」ってペンネームですよね? 性、仕事、家族との関係性。様々な局面で四十歳を目前にした未婚女性たちが、日常のなかで一瞬垣間見せる「ぶれ」のようなものをリアルかつ澄んだ筆致でとらえた連作短編集です。白石一文氏に「あなたは小説を書かなくてはいけない人」と明言されたことをきっかけに短編を書き始めた注目の新人、越智月子氏のデビュー作。月刊「きらら」での読み切り連載に書き下ろしを加えた十一編、それぞれの作品が幽かな繋がりを持った連作短編集です。恋愛、仕事、家族との関係性。越智氏が澄んだ筆致でとらえるのは、四十歳を目前にした未婚女性たちが、日常のなかで一瞬垣間見せる「ぶれ」のようなもの。仕事は頑張っている。でも、肌は徐々に若い頃のハリを失い、恋愛はいつも、なぜか思い通りにはいかない。きょうの私は、どうかしているすべての現代女性が感じたことのある気持ちを鮮やかに描いた、今、もっともリアルな1冊。 福岡出身なもので、会話に博多弁が多い。そこが嬉しい。40歳になろうとする主人公たち。その親はもう元気な老人ではなくなってきて・・・そのちょうど中間点の私。主人公たちより親に近い・・・老いって残酷。 ★★