向田邦子傑作選「女正月」
1991年に放送されたドラマ。向田邦子原案のスペシャルドラマ。昭和初期に生きる市井の人々の生き様を久世光彦演出で肉感的に描く。 出演は田中裕子、小林薫、加藤治子ら。舞台は大正時代の名残ある昭和 13 年の東京下町・池上。長女の過去を知る、妹の恋人...。 彼をめぐるドラマが、心理サスペンスやエロティックな要素も交えて展開されていく。 【ストーリー】 昭和 13 年の暮、池上本門寺裏手にひっそり住まう神山家。 商工省官吏だった主は10 年前に亡くなり、今は母・里子(加藤治子)、会社勤めの次女・まき恵(南果歩)、帝大生の長男・健一郎(金山一彦)、女学生の三女・みさ代(曽根由加)、という 4 人家族である。 長女・いち乃(田中裕子)は商工省の役人・田久保誠一(岸部一徳)に嫁ぎ、近くに住んでいる。いち乃は出版社に勤めていたが 8 年前、石川善郎という作家に無理心中を仕掛けられた過去がある。 石川は死亡し、いち乃は身体と心に傷を負った。そんなある日、まき恵が「恋人を連れてくる」と予告し、静かな神山家は久々に活気づいた。いち乃も夫・誠一と一緒にやって来る。やがてまき恵の恋人で、出版社に勤める中原博之(小林薫)が現れた。数日後、いち乃は中原に「石川善郎という作家を知っていますか?」と尋ねられる...。 【スタッフ】 原作・原案:向田邦子 脚本:金子成人 監督:久世光彦 いつものメンバーに素敵なのが渡辺満里奈、風吹ジュン、南果歩さんの若い映像。 そして、変わらず田中裕子さんの魔性っぷり。本当に風情あるのよねぇ。 ★★★