ゆうちゃんおめでとう
早実・斎藤投手、駒苫のエース田中将大投手が、満員の観客7200人の前で一歩も引かない投手戦を展開。とりわけ田中投手は今大会、初戦で福知山成美を完封したのを皮切りに、準決勝まで3試合連続無失点。4回、通算28イニング目にして打ち砕いたのは、他ならぬ宿命のライバル斎藤投手のバットだった。 早実はこの回、2死から5番船橋選手が二塁強襲安打で出塁し、田中投手の暴投で二塁進塁。ここで斎藤投手は、カウント1-1からの速球に詰まりながら、しぶとく右翼線に落とす。船橋選手が本塁を踏み、早実に虎の子の1点が入ったのだった。 斎藤投手は投げては粘り強くコーナーを突き、4回1死満塁の最大ピンチも、遊ゴロ併殺打でしのぎ切った。 「斎藤1人にやられた。今大会30イニング以上投げて(33イニング)、1点しか取られなかったのに、大事な所で取られた。自分の甘さが出た。斎藤とはまた対戦したい。プロで? そこしかないですから」と、田中投手。 斎藤投手は3日の準決勝で見せた、おなじみのハンカチで顔を拭くパフォーマンスを見せずじまいで、「使おうと思ったんですけど、正直言って、きょうはそんな気持ちの余裕はなかったです」と打ち明けた。 斎藤投手は104球9安打6奪三振無失点。田中投手はある意味でそれを上回る、115球4安打9奪三振1失点。お互いに最後までマウンドを守り切り、夏の甲子園決勝で延長15回引き分け翌日再試合を演じた両雄のライバル伝説は、また1つエピソードを加えた。4年後プロのマウンドで、投げ合う2人の姿が待ち遠しいですね。