ピアッツア アルメリーナに行く
ピアッツア アルメリーナは、シチリアのど真ん中にあるエンナ県にある。シチリアは、大昔森がたくさんあったと言われるのだが、アラブ人たちが伐採してしまったために、(スペインに似ているかも)中央部は殺伐として木も少ない。(アラブ人たちは灌漑やレモン、オレンジを伝えたというのに、木を新たに植えていかなかったのは不思議。)真夏の昼ごろは熱風が吹いている。ピアッツア アルメリーナは街の外に古代ローマ時代、3世紀から4世紀に作られたヴィッラ(お屋敷)が残っており、そのモザイク装飾が大変美しいので有名。何故そんな所にヴィッラがあったか。シチリアのアグリジェントとカターニアを結ぶ幹線道路がそこを通っており、ピアッツア アルメリーナには幹線道路の駅があったのだった。南イタリアはシチリアを含めて古代ローマの穀物倉庫。ここからも穀物が沢山栽培され、運ばれて行ったわけだ。ラテイフォンデイと言われる、ローマ時代に始まり、中世を経て現在にまで至る、大土地所有制がここにもあり、奴隷を沢山使っての大規模経営の農業が行われていた。また、モザイクにもあるように、シチリアでは温暖な気候のために年2回バラの生産ができた所で、バラは貴族や皇帝に重宝されていたという。この素晴らしい屋敷は、古代ローマの上院議員であったルフィオ アルビーノの別荘であったといわれ、特に狩などに使われたらしい。当時この辺は大きな森があり、ジェラ川も近かったので、夏の別荘として気持ちのよいものであったようだ。屋敷は、古代ローマに欠かせないテルメから、大きなペリステリウム(回廊つきの中庭)、トリクリニウム(豪華な食事場所)、クビクルム(寝室)など、かなり規模は大きい。63部屋ある。屋敷面積だけで、7ヘクタール、庭などを含めると45ヘクタールのものになる。屋敷が残っていたのは、洪水による崖崩れで埋まっていたものが、1800年代に発見されて、正式に発掘作業が始まったのが、戦後になるためらしい。現在は2010年から再開された修復がまだ続けられているが、大分は終わっているので、素晴らしいモザイクをみることができる。模様は、当時行われていたアフリカでの狩の様子(獣はローマのコロッセオなどでの戦いに使われた)や、チルコ マッシモなどでの競技の様子など、大変大きいものが多い。北アフリカからのモザイク師たちが働いていたという。確かに、獣たちが良く描かれている。また、幾何学模様も凝っていて、美しい。屋敷の床がモザイクで埋め尽くされているのを見るとローマ貴族たちの豪華な暮らしが思われるほか、どれだけの年月と金をかけてこういったものが作られかと感慨の想い。おおよそ、1平方メートルのモザイクを作るのに6日かかったと言われる。資料によれば、この屋敷のモザイクには21,000日の歳月がかけられたという。サイトがあるので、良かったら。毎日オープン。(祝日も)時間は、夏9時から18時まで。 冬9時から16時まで。チケットは、現在5ユーロ。電話:0935・687667ここからはシチリアの美しい陶器を焼く釜場所、カルタジローネも遠くないので、良かったら見学のあとにどうぞ。