タキトゥスの「同時代史」を読む
同時代史著者:コルネリウス・タキトゥス価格:1,680円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る昔勉強した世界史で名前だけ知っていたタキトウス。タキトウスはヴェスパシアヌス帝と同時代の歴史家、道徳家で、おおよそ55年ぐらいにローマか、テルニ(ウンブリア州)か、ガリアで生まれたとされる。家系は貴族ではなかったが、騎士階級でおそらく皇帝などに引き立てられたのはないかとされ、彼はローマでちゃんとした教育を受けたらしい。プリニウス子とも友人だったとされるが、話は100%正確ではないとされる。彼の同時代史はローマ帝政時代のヴェスパシアヌス帝*コロッセオを作らせた皇帝*というとわかっていただけるだろうか、が皇帝になる過程から治世について12巻にかけて書かれた本。それが現在5巻しか残っていないということで、皇帝になる過程がここには書かれていた。将軍の名前から土地の名前などを含め、途方に暮れるような混乱のローマ帝国だった。その中でヴェスパシアヌス帝が生まれは貧乏貴族だったが、優秀な将軍だったということと、ユダヤ人を征服した話などが大変興味深かった。ヴェスパシアヌス帝の息子はテイトス帝とドミテイアヌス帝で彼の後を継ぐことになるわけだが、テイトス帝のために作られた凱旋門はユダヤ人との戦勝を記念して作られたもので、長い間つい最近までユダヤ人たちはこの凱旋門の下を通らなかったと言われている。また時間があるときにゆっくり読み直したい本。