サンジョヴァンニインラテラノ寺院界隈を歩く(2)
広場の一角にスカラサンタ(聖なる階段)の建物がある。スカラサンタは、キリストが十字架にかけられたとき、ゴルゴダの丘に上がる途中上ったと言われるもので、コンスタンティヌス帝の母上エレナが十字架の破片と共にローマに持って来させたと言われるもの。巡礼の方たちがひざでこの28段の階段をのぼる。この階段の上にはサンクタ サンクトルムと言われる場所がある。レリクエと言われる聖遺物が沢山保存されている所で、(キリストのサンダルと言う話もある)また古いキリストのイコン(5世紀)は、ギリシャ語から来る言葉でアケロピタと言われるもの。(人の手で描かれたものではないものを指す)ということで、中世時代、ずっと大事にあがめられてきたものだが、それを現在も見ることが出来る。ここは別名聖ラウレンテイウスの礼拝堂と言われるが、中世法王様たちの礼拝堂として使われてきたところで、現在のシステイーナ礼拝堂の中世版ということになる。近年修復が終わり、法王様たちの(今は隣の礼拝堂が修復中で、それが終わるとスカラサンタの修復が始まるらしい)礼拝堂内のフレスコ画がとてもきれいになっている。上部は13世紀のものと考えると信じられないくらいに素晴らしい。礼拝堂に入って左の壁にかけられている木の破片は、キリストの寝台の一部と書かれているが、(10世紀まで古代ローマ時代の伝統で身分のある人は食事を寝椅子に横たわってとったのだった)おそらく、礼拝堂の奥にあった法王さまたちのトリクニウム(食事をとる部屋)の法王が使った寝椅子の一部だろうと言われている。礼拝堂奥の祭壇下には聖遺物が入ったスペースがあり、頑丈そうな鉄格子に鍵がかかっている。聖遺物は長年の間にヴァチカンに戻ったり、無くなってしまったりしたらしいが現在もいくつかはこの中に入っているのだという。この祭壇上にキリストのイコンがある。現在はキラキラした飾りがついてイコン自体はちょっとしか分からないのだが、中世時代、聖母マリアの昇天祭8月15日の際にローマの4大教会のひとつになるサンタマリアマッジョーレ教会の聖母マリアのイコン像に会いに移動した行事があったものだという。スカラサンタもサンクタサンクトルムも予約なしで*グループは要予約*見ることが出来る。スカラサンタは無料。サンクタサンクトルムは階段を上って左にあるブックショップでチケットを買う。3,50ユーロ。運がよければ、ガイデイングを聞くことが出来る。スカラサンタ 時間6時から13時と15時から19時サンクタサンクトルム 時間9時半から12時40分と15時から17時10分 日祝日はお休みミサ時間 通常 6,30-7,00-9,00-17,30. 日祝日7,30-9,30-11,30-17,30