タッブキに読まれて
インド夜想曲著者:アントーニオ・タブッキ価格:972円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る逆さまゲーム著者:アントーニオ・タブッキ価格:1,242円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る供述によるとペレイラは…著者:アントーニオ・タブッキ価格:1,080円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る先日お話したユリイカのタブッキ特集を読みながら(ひどく面白かった、さまざまな批評家たちが彼の作品について語る)改めて今回初めて彼の和訳を読んでいる。思うのは、やはり須賀敦子さんはすごい人だった。彼女の和訳からイタリア語が思い出せないくらいに綺麗にすっきり訳されていた。また彼女の後書きはひどく興味深く、須賀さんの本をほとんど読み尽くしてしまった私には大変貴重のように思えた。さて、今回はプラドのラスメニーナスを扱った作品逆さまゲームから始まり、(これはイタリア語版が暗記できるくらいに読んでいた)イタリア語を読んでいなかった供述によるとペレイラはと、遠い水平線に有名なインド夜想曲を読んだ。これらはちょうどタブッキの熟した時代に書かれたもので、いつもながら夢の中の話のようでミステリーのような自己発見のお話のような。今までレクイエムが彼の傑作と思っていたが、インド夜想曲もぺライラもなかなか完成度が高い。(どれもお奨めできるが。)タブッキを読んだことがないという方にも十分お奨めしたい。わたしはまたゆっくり大事に大切に読み返そうと思っている。最後にこの場を借りて白水社のイタリア文学担当の芝山氏に深く感謝。*今回の本を須賀さんに依頼していたのは彼だったという*