岡崎乾二郎「ルネッサンス 経験の条件」を読む
ルネサンス経験の条件著者:岡崎乾二郎価格:2,041円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る大学の知人に奨められて読んだこの本。アンリ マテイスのヴァンスにある礼拝堂の話から、ルネッサンスのブルネレスキのフィレンツエ大聖堂クーポラのこと、またマサッチョやマソリーノ、フイリッピーノ リッピのやはりフィレンツエにあるブランカッチ礼拝堂のこと、フェルメールの信仰のアレゴリーの絵*これはメトロポリタン美術館在*まで今までの概念がひっくり返されるような感じでちょっと難しかったけれど非常に面白く読んだ。例えば、中世のキリストのパントクラトール*宇宙を支配する創造主*は実は逆遠近法で描かれていたもので、遠近法の欠点が既に分かっていたためとか。アンリ マテイスの礼拝堂の絵は一般的にはあまり評価されていないようだけれど、実は没入の効果とか、視覚の錯乱という効果を彼が狙って作っているものだとか。本の中には数多くの美術批評家たちの考えが注入されて、それを読んでいるだけでも勉強になる。ルネッサンス美術を中心とするアート全般に興味がある方には是非お奨めしたい本。