サンロレンツオインミランダ教会へ
フォロロマーノの中に巨大な神殿跡があるのをご存知だろうか。ローマ皇帝アントニウス ピウス帝とそのお妃のために建てられた神殿だが、現在も神殿の巨大な柱が残っているのが、印象的。その神殿の内陣を利用して作られた教会がサンロレンツオインミランダ教会。サンロレンツオは、焼き網で焦がされて亡くなった聖人で、ローマのサンロレンツオ フオリ レ ムーラ(城壁の外にあるサンロレンツオ教会)に彼の遺体が祀られている。ローマではかなり信仰されていたらしく、至る所に、彼の名前がつく教会がある。このフォロロマーノ内に作られた教会は、1400年代初めにコロンナ家出身のマルテイーノ5世が作らせたもので、当時私立の大学として薬学部をここに入れたという。また、学校の他に薬屋さんの組合、また病院(教会の付属修道院が経営していた)があったところになる。薬は、当時教会の付属修道院が作っていたために、教会の中に薬関係の機関が入っていたわけ。現在の建物は、1600年代初めに作り直されたものが修復されながらまだ使われているわけだが、私立の機関になるので、許可を得て訪問することが可能という所。内部は教会、教会地下に薬関係の博物館、教会上部分に図書館および古文書館があって非常に興味深い。古文書館には1600年代からの薬屋さんのライセンスが修復されて現在も保存されている。また、教会の主祭壇画を描いたピエトロ ダ コルトーナが残した解剖図をもとに作られたエッチングを見ることが出来るのも非常に楽しい。そうそう、主祭壇にはやはりサンロレンツオのレリクエ(聖遺物)などが保存されている。教会内部からフォロロマーノを見下ろす。 サンロレンツオのシンボルになる焼き網入りの薬屋の古いライセンスブック。ローマは奥が深い街。まだまだ楽しめるよ~!!